あっと言う間に、準備期間は過ぎ、気がつけばツアー初日を迎えた。
この激動の一ヶ月の記憶があまりない。それ程忙しかった。
なんとか15曲を頭に叩き込み、クラス変更を期限ぎりぎりで申し込んで、単位数を少し減らした。(もともと常に多めに取っていたので、問題はない。)キャンパスの中でアルバイトも始めていたので、調整もすませた。
問題は宿題だ。図書館での調べ物や、練習室での実技課題が多いので、ツアーに持っていくわけにはいかない。ほぼ毎日、半徹夜の状態で課題をこなす。平均睡眠時間は、2〜3時間というところ。
金曜のクラスが終わると、寮に2泊3日分の荷物とマクラを取りに行き、すぐに学校のバスに乗り込む。男子は機材も積み込む。
オールナイトでバスで移動し、目的地に着くとすぐ機材をセットし、コンサートをする。終わると、また積み込み、次の目的地へ。土、日で多い時には、5つのコンサートをする。そして、月曜の朝、2時ごろに学校にもどり、仮眠を取って、7時半のクラスへ・・・
こうして書くとかなりハードだが、けっこう楽しかった。
みんな退屈してくると、誰とも無く歌いだす。OO風に〜などとコピーも始まると、もう、物まね大会のノリになる。これが上手い。遊び半分で歌っていると思ったら、ちゃんとアレンジして、後日、本番でアカペラで披露したりする。
こうしてゴスペルって作られていくんだ〜!
と、納得した。
ワタシはと言えばツアーで、
バスに乗ったら5分で爆睡の「特技」を身につけた。そのせいで、後にオーストラリアツアーでは
コアラというあだ名をつけられた。
コアラは一日20時間寝て、起きるのは食べる時だけだそうな・・・

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