「『太ってみたかったんです』ボーカリストとダイエット その@」
ボーカリストの日常
今回のブログタイトル「太ってみたかった」・・・炎上覚悟です。
赤毛のサラ ボーカリスト吉住さと子のブログにお越し下さって、ありがとうございます。
歌い手の健康について語る『ボーカリストの日常』をスタートして、アクセスがポン!とアップしたところによりますと、皆さんの関心も多いことが伺えますね〜
すみません。勿体ぶらないで、さっさと本題に入りましょう。
前回に書きました「1年間で15kg+体脂肪率10%落としました」という記述を読んで、「そもそも、なぜそこまでしなければならないほど放置したのか?」「そんなに一気に痩せて身体を壊したらプロとしてどうなの?」という疑問がわいてきませんか?
そして答えが、「太ってみたかったから」では、なっとくいきませんよね?
実はこれ、「歌い手あるある」なんです。
私はクラシック、ミュージカル、ジャズ、ポップス・・・あらゆるジャンルをレパートリーにしていますが、クラシックでは、オペラにしろコンサートにしろ、原則マイクを使いません。全て生声でホール全体に響かせます。つまり、自分の体を、共鳴具としても使います。
楽曲や演奏環境によっては、体が大きい方が有利な場合も多々あります。だから、少しでも体が大きくなるように、沢山食べなさい、とアドバイスされることもあります。
ある有名な声楽家の女性がイタリアに留学した際、先生に厳しく言われて、泣きながらピザを食べ続けた話、とかテレビで拝聴したことがあります。
私はリリック(ちょっと軽めの)コロラトゥーラ(高くてコロコロ動く声)のソプラノだったので、あまり言われませんでしたが、少しでも太ると、低音部が楽に響くようになるし、声に艶が出る感じなので、実は低音の声にあこがれていた私は、嬉しくなりました。ないものねだりというヤツです。
ちょうど5年前、両親の介護と子供の受験が重なって、あまり外出できなくなった私は、教える以外は、パソコンなどの事務系を中心に、家の中で仕事をするようになりました。本当は事務系はキライ、外回りが大好きな私は、ストレスから過食になります。
でも、体重が増えると、声がどんどん良く出る気がしました。(錯覚です。注意!)
「ちょうどいい機会だ。この際、もっと体重を増やして、どこまで行けるか試してみよう。」と思った私は、この状況を「ポジティブ」に受け止めたつもりになって、ドンドン増えるにまかせ、ついに・・・・
体脂肪率40%(←ここは、公表OK^^)という『危険地帯』に踏み込んでおりました!
そして体調はそれに連動して一気に下降します・・・。
ある日、
靴下を履こうとして、自分のつま先に手が届かない事に気づきました。
無理に手を伸ばすと、お腹のお肉が邪魔をして息ができない!目の前には星がキラキラ

そして、得体の知れない眠気とだるさに、常に付きまとわれるようになりました。
朝起きてもすっきりせず、運転中に居眠り運転をしそうになったり、目的地についても、ぐったりして車から出られないこともありました。
「これは危ない!」私は一気に自分の状況に目覚め、減量を決心します。
真剣に自分の心理と行動を冷静に見直しました。
なぜ私は太ったか?が分からないと、対策の立てようがありませんから。
そして、減量が上手く行っていないように見える時の、焦燥と落胆に対処する方法も(つまり、ギブアップを避ける方法)もリサーチして、理論武装をしました。(これはおいおいアップします)
そして「自己流はアブナイ。プロの手を借りよう」と、地元の公共施設に付随していたジムに入会しました。テレビで良く宣伝されている、あの有名で、ちょっとお高いところじゃなくて、近所のおっちゃん、おばちゃんたちの社交場と化している(笑)、超お安いところです。
そこでは、一年分の記録をまとめたものを、その人のお誕生日にプレゼントとして贈る、というお節介で、なんともほのぼのとしたサービスがありまして、ちょっとはみ出た所は自分で書き足して、冷蔵庫に貼って、いまでも時々眺めては、励みにしております。
↓前回も載せました、これです。
このジムはまず、健康診断と循環器科での運動機能測定、つまりどの程度の運動をしても良いかの測定、を義務つけています。これはとても大切だと思います。
まあこうして、文字通り「重い腰」を上げました。
つづく
【追記】
今でも時々、スーパーに行ったとき、コメ袋15s分をそっと持ち上げてみることがあります。重いです。自分の体に、なんとかわいそうな事をしてしまったのかと、反省を忘れないために。

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