かくしてわたしの留学一年目は、慣れない英語との戦いに明け暮れたのでした。
一ヶ月もすると、頭はパンク状態。ひび割れた脳みそから、行き場を失った英語がぽろぽろとこぼれていくのが聞こえる気がするほど、疲れて眠れなくなってしまいました。「こりゃいかん」と思い、必須科目とは関係ないクラスをいくつか取ろうと、スケジュール変更期限ぎりぎりで、自由選択科目枠を目いっぱいつかって、音楽のクラスを取ることにしました。日本の大学は、音大や芸大と普通大学が分かれているみたいですけど、アメリカの大学は一緒のキャンパスのなかにあり、希望者は別の学部も受講できるのです。

そして毎日、聖歌隊、アンサンブル、音楽通論、音楽史、などなど、音楽三味の日々をおくることになり・・アドバイザーの先生からは「取りすぎだ!今にパンクするぞ」と脅されながら(もうしてるし)。でも、お腹からいっぱい声をだして、ストレス解消になりました。歌の英語は話すよりずっとゆっくりだし、先生が発音を直してくださるので、私の英語もだいぶん相手に分かってもらえるようになりましたしね。

これが、わたしと音楽の再会でしょうか?(ピアノ小さい頃やってたけど、バイエル小学1年であきらめて以来です)もう25歳になってました。宣教師になるべる教会教育学を専攻していたわたしには、密かなたのしみが。それは、音楽科の生徒でなくても、歌のクラスを取れば、2年生から個人レッスンを受けるチャンスがあるのです。
ところが、わたしが2年生に上がったとき、あまりにも個人レッスン希望者が多かったので、受けられるのは音楽科の生徒だけと、規則が変わってしまいました。
どうしよう、このままあきらめるか・・ついに決断。教育学と音楽の2学部同時専攻という恐ろしいことになりました。教養学部は共通ですので、実質1.5倍の単位を卒業までにとることになります。論文に加えて、卒業コンサートもすることになるので、4年で終わらず5年かかることに。おかげでホームシックに浸る間もない日々が続きます。

ほんとに卒業できるのかなぁ?


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