2008/6/24

最後の授業  

・「最後の授業 ぼくの命があるうちに」
著者:ランディ・パウシュ、ジャフリー・ザスロー 訳:矢羽野薫
出版:ランダムハウス講談社
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小飼弾氏のブログで本書について、
「DVD付きのものを買うべき。そして本を読む前にDVDを観るべき」
旨が記されていた。
僕も全くそのとおりだと思う。
DVDを観る。
それから本書を読む。
この順番を間違えてはいけない。

DVDではランディ・パウシュという大学教授が「最後の授業」をする様子を見ることが出来る。
「最後の講義」というのはアメリカでは人気教授が「人生最後の機会」と仮定して特別講義をするというのがあるらしいんだけど、この大学教授は膵臓癌が転移して、「余命半年」と宣告されており(講義の時点で46歳の若さ。妻と3人の子持ち)、正に「最後の授業」なのだ。

と言っても講義の内容は(パウシュ自身が述べるように)「悲愴感」とは無縁である。
彼は自分自身の人生を振返りながら、「如何にして目標を達成してきたか」「壁を乗り越えるために、どのように取り組むべきか」等を、ユーモアたっぷりに講義してくれる。
そういう意味では内容的には「自己啓発セミナー」みたいな感じ?
でも押し付けがましくはなく、会場は何度も爆笑・苦笑・微笑に包まれ、一時間あまりはアレヨアレヨと言う間に進んで行く。
画面の中のパウシュ教授は全然「余命半年」って感じじゃなくて、活力に満ち溢れている感じ。
何せ、冒頭に達者な腕立て伏せを見せてくれるくらいだからね(しかも「片手」で!)。
そして講義は「プレゼンテーションの見本」のような内容。
いやホント、「パワーポイントってこうやって使うんだなぁ」って認識を新たにしちゃいました。

そして講義の最後。
その一言が胸をえぐる。
その瞬間に、この教授は僕にとって忘れられない人となった。

本のほうは講義の内容をフォローするとともに、その「続き」が記された内容になっている。
講義ではあまり深く語られなかった家族への想いが語られ、そのことが改めて胸に迫ってくる。
彼が記す「生きる智恵」と言うのは、それほど新し味があるもんじゃない。
「自分に夢を見る自由を与える」
「格好よくあるよりまじめであれ」
「不満を口にしない」
「他人の考えを気にしすぎない」
「チームワークの大切さを知る」
「人のいちばんいいところを見つける」
「何を言ったかではなく、何をやったかに注目する」
「決まり文句に学ぶ」
「相手の視点に立って発想する」
「『ありがとう』をつたえる」
等々。
ありきたりではある。
でも彼の口から語られたこれらの言葉は、彼の想いと共に読むものに伝わってくる。

本書の記された言葉を、パウシュ教授は「最後の授業」の最後に語った。

「この部屋のみなさんだけのためにはなしたのではありません。『僕の子どもたちのためなんです』」

37歳で結婚したパウシュ教授には5歳と3歳の息子、1歳の娘がおり、愛妻と共に彼らを残して逝かなければならないのだ。
僕が結婚したのが38歳で、今、3歳と1歳の子どもがいる。
これはこたえるよ。

今現在(2008年6月)、パウシュ教授は未だにご健在のようだ。
奇跡が起こり、彼が残される家族と共に、幸福な時間を一時でも長く過ごせることを祈りたい。



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