2007/10/13

キラー・イン・ザ・レイン  

・「キラー・イン・ザ・レイン<チャンドラー短編全集1>
著者:レイモンド・チャンドラー 訳:小鷹信光他
出版:ハヤカワ文庫
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村上春樹訳「ロング・グッドバイ」の成功のお蔭だろうね。
チャンドラーの短編が全て新訳で紹介されることになった第一弾。デビュー作「ゆすり屋は撃たない」から初期の6作品が収められている。

「ゆすり屋〜」の主人公が終盤にヒロインに投げかける台詞。
「痛みは終わってからやってくるものさ」
には、ハメットにはない、対象への哀切を込めたセンチメンタリズムの一端を感じさせ、マーロウの登場を微かにではあるが予感させる。
もっともその後に続く、
「・・・花でも送ってくれ。あんたの目のような野生の青い花を」
は俗なロマンティシズムって感じで余計だとは思うが。

・・・なんてこと書いたって、チャンドラー・ファン、マーロウ・ファン以外には何の意味もないわな(笑)。
僕はかなり興味深く本書を読んだし、後続も読むつもりなんだけど、要はそういう本である。

村上春樹が「ロング・グッドバイ」と訳したのを受けてか、本書の題名も「キラー・イン・ザ・レイン」と英語の仮名表記。
村上春樹の場合、「長いお別れ」という清水俊二の名訳があったことから、それとの差異を際立たせるためにも、こういう表記にしたのだろうが、「キラー・イン・ザ・レイン」なんて「雨の殺人者」のほうがスッキリするのに、と思う。
ってのも、ま、コレは商売ということで。
何よりもチャンドラーの短編が全集されることを喜びたい。

(村上春樹は他にも「キャッチャー・イン・ザ・ライ」「グレート・ギャツビー」と、英語仮名表記を使っている。これらも「ライ麦畑でつかまえて」「華麗なるギャツビー」という先行訳との区別をつける意図があるんだろうと思う。
村上春樹の翻訳書は割りとちゃんと日本語訳してるほうが多いからね、他の作品の場合は)



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