2010/10/30

読書録「超ヤバい経済学」  

・超ヤバい経済学
著者:スティーヴン・D・レヴィット、スティーヴン・J・ダブナー 訳:望月衛
出版:東洋経済新聞社

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好評だった「ヤバい経済学」の続編。
前作がスゴく面白かったんで、「期待大」だったんだけど…
前作程のインパクトはなかったかな。

いや、内容の水準が落ちてるって訳じゃない。
取り上げられた個々の視点はかなり興味深いし、話も面白く読める。
ただ前作以降、こういう作品を結構な数読んで来たので(行動経済学絡みの作品とか、マルコム・グラッドウェルの本とか)、「考え方」に対する「驚き」があんまりなくなってるんだよね。
前作は話の面白さに加えて、常識を揺るがすような「視点」にインパクトがあった。
でも今じゃ、僕の「常識」は以前とはチョット違った視点を受け入れるようになってる(「インセンティブ」とかね)っつうことでしょう。
エピソードのいくつかは、他の作品で馴染みだったりもするし…。

まあでも、さすがご本家。
「面白さ」と言う点では相変わらずだ。
もともと何かの「原理」を導き出す様な作品じゃないから(ベースには「インセンティブ」って視点があるけど)、「読み物」として色々なエピソードを楽しむ、それで十分かもしれない。
楽しみながら読むうちに、必ず自分自身の「常識」に揺らぎが生じるようになってるからネ。

個人的には「環境破壊」に関するエピソードが興味深かった。
「はやぶさ」の物語にも感じたけど、「科学」にはこういうトコがあるよね。
そこに垣間見えるのは、「合理性」が常識に異義申し立てする姿。
加えてそれを実行に移す戦略・戦術があるところがアメリカの「強かさ」かと。
(それを受け入れる素地が社会にあるってのもあるけど)

本書なんかを読むと、「合理性って何だろう」と思っちゃうんだけど、だからって作者は「合理性」を放棄してる訳じゃない。
「今、合理的って言われてるコトって、視点を変えたら合理的じゃないんじゃない?
より合理的にはこういう考え方をする必要があるんじゃないの?」
と言うのが作者たちのスタンス。
いわば「合理性を問い直してる」って感じなんだよ。

「論理や合理性じゃ、割り切れないものがある」

そうかもしれないけど、そう言い切っちゃうと、思考停止にしかならないからね。
合理性の行き着く先って言うのはないかもしれない(そりゃ「神」領域)。
そのコトを認識しつつ、それでも問いかけ続ける。
作者たちがやってるのは、そういう作業なのかもしれない。

ま、面白いからね。
悲壮感なんかは全くないんだけどサw。




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