2010/10/25

読書録「マイルス・デイヴィス青の時代」  

・マイルス・デイヴィス青の時代
著者:中山康樹
出版:集英社新書

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「マイルス・デイヴィス自叙伝」(無茶苦茶面白い快作!)の訳者であり、マイルス・デイヴィスの研究者としては間違いなく第一人者である作者による「マイルス・デイヴィス」論の一冊(自称「マイルス新書シリーズ」w)。
この後、時代順に「マイルスvsコルトレーン」「マイルスの夏、1969」「エレクトリック・マイルス1972-1975」「マイルス・デイヴィス
奇跡のラスト・イヤーズ」と続くことになる。
出版されたのは時代順じゃないんだよね、確か。
いずれにしても「完結してから、順番に読もう」と思ってたのが、先日「ラスト・イヤーズ」が出版され、完結したのを契機に手をつけ始めた。

本書の特徴は、単に年代を追って出来事を列挙するのではなく、発表された音源をキーにしながら、それに沿った形で、時代やマイルスを巡る出来事を論じているところかな。
後続の新書がどうなってるかは分からないけど、自分で「シリーズ」って言ってるくらいだから、多分同じような構成なんだろう。

従ってマイルスの作品をあまり聴いてないヒトにはチョット読みづらいところがあるかも。
自叙伝は多分マイルスの音楽あまり聴いたコトがなくても楽しめるモンだったけど(なんせキャラが立ってるからw)、本書は一定の予備知識が必要と言える。
勿論、ライナーノーツの羅列のようなモノじゃなくて、チャンと歴史的位置づけから「マイルス・デイヴィス」を論じてるんだけど、「入門編」という位置づけの作品じゃないだろうなぁ。
ま、そう言うのは作者自身の作品も含め、色々あるからね。
むしろこのシリーズではもう少し音楽に沿った視点から論じてみたかったんじゃないかね。

プレステッジ時代から「カインド・オブ・ブルー」までのこの時代は、多分僕が一番聴くマイルス時代。
そのコト自体に複雑な感慨もあるんだけど(当時はともかく、今、ここら辺を聴くってのはバリバリ保守派だろう。そしてマイルスと言えば、「保守」とは水と油の存在)、それでも馴染みのアルバムが列挙されていて、それにまつわるエピソードを読むのは、やはり楽しい。
「久し振りに聴いてみようかな」
とアルバムのアレやコレやを思い浮かべながら読むコトができた。
まあ多少、「こんな細かいところに突っ込まなくても」
ってとこもなくはなかったけど、ソレはソレで本書の資料としての価値を高めてるってのはあるかもしれない。

次は「マイルスvsコルトレーン」。
うーん、早くも一つの「ヤマ」を迎えるような予感。
楽しみに次に進むことにしよう。




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