2010/4/24

読書録「告白」  

・告白
著者:湊かなえ
出版:双葉文庫

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昨年の本屋大賞受賞作。
「松たか子」主演で映画化もされるようですな。

本書のことは当然知っていた。
もともとは短編で、評判になったそれをベースに長編に仕立てた作品。
そういう情報。
「短編を引き伸ばしたのかぁ。それはちょっと・・・」
と言う感じで、単行本はスルーし、今回、文庫化を契機に読んでみることにしたわけだ。

ベースなる短編と言うのは「第一章」のことなんだろうね。
確かにこの完成度は高い。
内容的にも唸らせるものがある。

ただ僕が誤解してたのは、「短編を引き伸ばして長編にした」っていうんじゃないんだな。
おそらくは「短編」はそのままに(もしかしたら手が入ってるかもしれないけど、独立性はこの一章は高い)、そこから物語を展開させて長編にした。
これが本書の構成。
コレだけ完成度の高い「短編」を、更に展開して「長編」の導入部にする。
なかなか何度の高い作業に取り組み、見事、成功している。
本書の評価は、そこにもあるだろう。

まあ「第一章」の完成度を思うと、「これを長編にしなくても」って意見は、多分あったろうね。
その気持ちは良くわかる。
確かに長編にすることで、「人を裁く」というテーマが深められ、複雑で奥深い味わいが出てきてるんだけど(しかも読後に割り切れないものが残る)、単純ではあるが切れ味の良い第一章の「オチ」は捨てがたいよね。
なんだか、「ノルウェイの森」を思い出したよ。
確かに作品としての深みは「ノルウェイの森」にはあるんだけど、僕は元となった「蛍」って短編が、すごく好きだったんだよなぁ。
同じような感想を、独立した短編として第一章を読んでいた人は思ったんじゃないかな、と。
「長編」ができてしまい、その完成度も高い以上、これは繰言に近いのかもしんないけどさ(笑)。

それはそれとして、しかし本書は「暗い」ワ。
出来がいいのは十分に認めるんだけど、どうも個人的にはこの「暗さ」についていけなかった。
これは作品の出来・不出来の問題じゃなくて、僕との相性の問題。
「いい作品」
とは思うけど、この作者の作品に続けて手を出すか、って言うと、「それはチョット」って感じだ。
映画も見ないだろうなぁ。
ま、これはあくまで個人的感想なんで、作品そのものは水準の高いものであるのは間違いないよ。

ちなみにヒロインの最後の「オチ」。
僕は100%支持します。
僕にも三歳の娘がいるからね。




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