2010/2/23

「日本経済復活 一番かんたんな方法」  

・「日本経済復活 一番かんたんな方法」
著者:勝間和代、宮崎哲弥、飯田泰之
出版:光文社新書

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最近、勝間氏の活動は「デフレ対策」にウェイトが置かれている。
それが「ボーリングの一番ピン」だと言うのが彼女の認識で、本書でもそのことは繰り返し述べられている。
まあ理論的な部分は、ビジネスパートナーの上念氏が書いた「デフレと円高の何が『悪』か」のほうが、まとまっていて理解しやすいかもね。
ただ本書の方が、気鋭の経済学者(飯田氏)と、守備範囲の広い評論家(宮崎氏)との対談形式になっている分、読みやすいし、広がりがあって楽しめるというのはあるかな。
宮崎氏が「かつては反リフレ派であったが、色々勉強した結果、転向した」みたいなことを発言しているのも面白いし、そういう柔軟さが、本書の「深み」にもなってるように思う。

僕自身は「リフレ派」とまでは言えない。
どーしても「お金が増えればデフレは解決する」ってのがスッキリ入ってこないんだよね。
最もこういうところはハッキリ本書で指摘されていて、「素朴理論のトラップ」って整理されちゃってるんだけど(笑。ただしその克服が非常に難しいことも認識されている)
まあでも「デフレがまずい」ってのは、ここに来て、自分自身の中でもハッキリしてきている。
正直言って、本書で述べられているような金融政策には「リスク」は殆どないからね。
「じゃあ、やってみりゃいいじゃん」
これが今のスタンスだ。

内容とは別に感じたことが一つ。
本書の帯には、勝間氏・宮崎氏・飯田氏の写真が出ている。
3人とも40歳前後だから、「若者」と言い切るのはチョット躊躇してしまうが(笑)、でも印象は若いよね。
その写真を見ながら、一緒に思い出したのは、日銀の白川総裁の姿。
先週末くらいに確か、白川総裁は「インフレ的施策はとらない」みたいな発言をしたと思うんだけど、その際の、経験豊富な顔つきが本書の3人とは対照的な印象だった。

視点を変えると、「デフレ対策」を巡る対立って言うのは、世代間対立の側面があるのかもしれない。
「対立」という言葉がキツイようなら、「世代間ギャップ」でもいいけど、
「30代、40代くらいの若い層が政策決定の場において力を発揮できないこと」
これがこの対立の裏側にある構図なのではないか、と。
(そしてそのことは「官僚支配」にも通じる部分がある。「官僚」の問題の中で大きいのは、「年功序列の組織決定」が組織や政策・施策を劣化させるところにあるからね)

勝間氏の努力がどの程度影響しているのかは分らないが、ここに来て、若干風向きは変わってきているようにも感じる。
「デフレには問題がある」
そういう認識は少しずつ広がってるんじゃないだろうか?
「デフレ」のもたらす閉塞感は、相当に社会を追い込んできている気がするからね。
しかしそれがどうすれば具体的な動きにつながるのか?
端的に言えば、「日銀に戦略を変えさせる」。
ポイントが明らかなだけに、効果のある戦術が求められるところだ。
そこでは「メディア戦略」が重要な意味を持つだろう。

と言うわけで、本書もその「戦術」の一つですな。
ここからどういう動きが出てくるのか。
自分自身がそこにどういうスタンスで臨むべきなのか。
次のステップはそこにある。




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