2009/11/18

自由をつくる 自在に生きる  

・「自由をつくる 自在に生きる」
著者:森博嗣
出版:集英社新書

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読んでて、少し前に読んだ橘玲氏の「知的幸福の技術」を思い出した。
肌合いはだいぶ違うし、森氏は新自由主義的思想とは少し違うスタンスにあると思うんだけど、

<結論からさきに書くと、「人生の目的は自由だ」と僕は考えている。自由を獲得するために、あるいは自由を構築するために、僕は生きている。>(P.18)

ってスタンスに通じるところを感じる。
そしてその「自由」を、「自在に生きる」って置き換えたところに作者のセンスがある。
確かにこう言い換えられることによって、作者の主張するイメージがより明確になった感じがするし、
「確かにな」
って気分にもなった。

まあ、
「金持ちだから言えること」
って意見もあると思うよ(笑)。
「具体的」であることに作者は批判的だし、同感でもあるんだけど、ここらへんを「具体的」に書いた橘氏の作品のほうが、(ベストセラーを出して金持ちにはなれない)一般人には近しいかも。
まあ投資にもナカナカ踏み込めないんだけどね、ここいらの層はさ(自分含む)。

ただ基本的には「賛成」かな。
今さら独立する気も、「何か一発小説でも書いて当ててやろう」って気持ちもないんだけど(笑)、
「自在に生きたい」「そのための準備をしたい」
そういう気持ちは確かにあるし、本書を読んで刺激もされた。
勿論、本書にはそのための「具体的なこと」はあまり書かれてないので、そこんとこは自分で考えなきゃいけないんだけど、そのこと自体が楽しみにもなるしね。

ところで本書については(本論とは少しそれるけど)森氏の自分自身の著作やファンに対するシニカル(?)な態度も気になった。

(映画「スカイ・クロラ」について)<「原作と違う」的なことを言う人は、森博嗣の作品がものすごく好きなのだろう。しかし、好き故に、明らかに自分の視野を狭くしている。感性が鈍った老いた状態だと僕は思う。>(P.156)

<たしかに「森博嗣は初期の作品が面白い」と評されることは多い。それは、そういう面白さを、初期には狙って書いていたからだ。悪い言葉で言えば、それに乗せられた人が多かったのだろう。騙された、と表現してもまちがいではない。手品だって騙されるのだし、エンタテインメントとは、乗せられてなんぼ、のものである。>(P.169)

「感性が鈍った老いた状態」「乗せられた」「騙された」・・・まあ言いたい放題(笑)。
それが言えるほど、「自由」ってことなんかいね。

でもこういうスタンスは僕は嫌いじゃない。
自分自身に対して意識的であり、客観的であろうとすること。
そのことをキチンと表明できること。
これはナカナカできないことだよ。

<毎日が終わって、ベッドで少し読書をしてから、僕はライトを消す。そのとき、明日も楽しいことが待っているぞ、と思えること、それが幸せだと思う。ときどきは嫌なこともあるし、どうしても回避できない障害だってある。けれど、その向こうに楽しみが待っているから生きていけるのだ。
自由を目指して生きる理由は、それがとんでもなく楽しいからである。>(P.189)

小説家らしい締めだなぁ。
この境地までは、相当距離がありそうですがね(笑)。




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