2009/4/14

国をつくるという仕事  

著者:西水美恵子
出版:英治出版
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「世界銀行」の活動を問題視する向きがあるのは知っている。(作者は「スティグリッツ」を「友人」と言っているので、改革派であったのだろう。その成果については知らないが・・・)
本書の中で称揚されるリーダーに関しても、毀誉褒貶はある。(代表的なのはムシャラフ・パキスタン前大統領だろう)
それらを踏まえたうえでも、本書には「力」があり、「感動的」でもある。

本書は世界銀行・副総裁まで勤めた作者が、アジアにおける貧困との戦い、その中で出会ったリーダーたちの苦闘等について記した作品。
描かれる「貧困」の凄まじさ、そこで生きる人々の苦闘、貧困を解決すべくあがくリーダーたち、汚職と腐敗で絶望を撒き散らす官僚や政治家・・・
作者は、時に「女性」の視点を交えながら、この「困難な世界」を紹介してくれる。
おそらくは「理想のリーダー」であるブーダン国王についても、ブータン難民についてキッチリと記す等、作者の視点はバランスのとれたものになっていると思う。(まあ多少の身びいきはあろうが(笑))

「貧困との戦い」を見るとき、「正義」はあると思う。
汚辱にまみれた官僚や政治家の姿を見ると、そこに「悪」が見える以上、そう思いたい。
しかし同時に「正解」はないのだ。
そこに貧困と闘うリーダーたちと人々の困難がある。
(タイの騒乱だってねぇ・・・)

本書に記された「希望」は「ブータン」だろう。
確かに人口66万人の小国。「だからこそできる」というのはあるだろう。
それでも見習うべきものが、この国、この国王にはあるんじゃないかと、本書を読むと痛感させられる。
「貧困との戦い」が困難であればこそ、「希望」を見たいという思いがあるが故かもしれないが・・・。

いい本です。



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