2007/7/11

大分県杵築市の将来像(建築ジャーナル07年7月号掲載論文)  

杵築市を考える会の紀田兼武代表より“大分県杵築市の将来像”という小論文が寄せられましたので、掲載します。 

          大分県杵築市の将来像
〜伝統ある地方都市保存と開発が調和するまちづくりを〜

 
 紀田兼武 紀田設計事務所 杵築市を考える会代表

    建築ジャーナル 2007−7 No,1123 


国東半島の表玄関に位置する杵築市 大分空港を控え、松平3万2千石の由緒ある街を中心に構成されている 「地方の時代」が叫ばれている今、杵築市は時代のテンポに取り残されている 
 杵築市が新しい時代に対応しよとするとき、伝統の美を以下に保存するかが重要である 古いまちほど、保存と開発に苦悩しているのが実情である
 おりしも、杵築市は2005年に山香町・大田村と合併した「新都市建設計画」では、「地域の農林水産資源を生かした、想像力と感性豊かな新市発のブランド・新製品の開発促進などに取り組む」と謳われている
 市民の生活を支え,市が生き続ける方法を考えるために基本構想の作成を急ぐことが私たちに課せられた大きな責務だと考える

■城下町商店街の再開発
杵築市は戦国時代から江戸時代まで続いた城下町 2つの台地「北台」「南台」があり、石畳の坂道が多く保存されている 市でも「勘定場の坂」「酢屋の坂」は昔の風情を残す有名な石段である 
 また、南台の武家屋敷も江戸時代からの遺産である 旧市街地が新町とつながり、交通の便も多少良くなったものの、商業拠点が北浜地区へ移動し、その機能は失せてしまった
 そこで、貴重な有形・無形の歴史文化資源を保存し、継承していくための文化財の保存・改修・復元事業や歴史民俗資料館の整備を図り、歴史的遺産に触れられる機会を提供する
 かつて筆者は歩行者優先のモール方式を提案したが、諸事情で採用されなかったのが残念でならない

■観光都市化への構想
城山から北台、南台を通り、寺町から旧市役所周辺に至る道路を緑のプロムナードで有機的につなぐ 周辺の建築物の現状保存および補修を行い、杵築市の大きな観光資源とする 
 また、国東半島全体の市町と協力し、宇佐八幡とそれに関連する六郷満山・両子寺・富貴寺などを結び、整備する 旧杵築市内では、轟地蔵、かつて福島県の白川や鳥取県の大山とともに「日本三大牛馬市」といわれた若宮八幡、夏祭りが盛んな天満宮などがある
 江戸時代から残る城下は、城山を含む城郭区、南北両台の上中武士居住区、それに挟まれた谷間などの町人居住区、武士居住区は南台を占有し、ほぼ平坦な低地区は町人居住区であり、高台から見下ろすという階級意識が地形条件にも表れている これは現在も残る壊れかけた塀から象徴的に見てとれる

■都市計画作成への提言
国土交通省は近年、公共事業の予算を半分近くに抑えている 杵築市も地方交付税、国庫支出金、県支出金、地方税など公的資金を頼りにしているが、民間の負担金も大きくなるだろう その分担をめぐり、官民の協議が必要だ
 また、市民主体のボランティア活動、NPO活動、行政業務のアウトソーシングなど、相互補完できる関係づくりを進める 在来の農林産業や近代化への開発保存のバランスをとりながら、積極的に手をうつのが肝要である
 行政機関は、強力な諮問機関をつくり、優秀なスタッフを置くことが大切である 民主党はマニュフェストに「商店街活性化のための予算倍増等地方重視」(毎日新聞5月12日)をあげている
 最近、観光資源に恵まれた国東半島を中心として地域で世界遺産の登録を目指そうという動きがある ゴミに悩まされている富士山と違い、清らかな自然があるこの地域が国の推薦を受けられればと思っている次第である
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