目の前に表参道が広がり、その向こうに日泰寺が見える。
覚王山のその表参道の入り口でpop popの二人は演奏していた。
さまざまなアーティストやクリエイター達の作品で
通りがうめつくす、「覚王山参道ミュージアム」。
pop popは今回、この参道ミュージアムのステージ部門にエントリーをしていた。
ステージの前には座席が並べられていてお客さんもいたが
自分たちの前のバンドの演奏が終わると、座っていた人たちは
参道を奥の方へと歩いていき、誰もそこにはいなかった。
自分たちの演奏に果たしてどれくらいの人が足を止めてくれるだろう、
そんな期待と不安が交錯するなか、ふたりは演奏を始めた。
しかし、いざ始まってみたら、そんな不安はすぐに消し飛んだ。
Emilyの歌声に、参道を訪れた人がひとり、またひとりと
足を止めて、席に着き始めた。
ステージの後半ごろにはすっかり席がなくなっていたほどだった。
pop popはこの2日間に渡って行われたステージの初日を
全編、ピアノスタイルで演奏した。
初日の最後は「No Woman, No Cry」だった。
Everything 's gonna be alright、
Everything 's gonna be alright
Everything 's gonna be alright
Everything 's gonna be alright
繰り返されるリフレインが次第にテンションを上げていく。
歌に呼応するようにyasakaのピアノがテンションを上げる。
二人の歌とピアノのコール&レスポンスが次第に熱を帯びていく。
客席の女性のだれかが「Yeah!」と声を上げた。
エンディング、「Cry!」と叫ぶcEmilyの歌声に
大きな拍手がわき上がった。
演奏が終わったと同時に、ひとりの男性が二人に声をかけてきた。
「なんていうバンド名なんですか?どこでライブをやってますか?」
その男性は偶然この参道ミュージアムを見に来て、
最後の1曲だけしか聞けなかった、次のライブを見たいと言ってくれた。
pop popの二人にとって、とても嬉しい言葉だった。
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昨日のライブは晴天にめぐまれたライブだったが
2日目はあいにくの雨となった参道ミュージアム。
幸い、pop popのライブが始まる時には雨がやんだ。
ところがpop popの演奏が終わるとまた雨が降ってきた。
まるで太陽さえもEmilyの声を聞きたかったのかと
思ってしまうほど出来過ぎの状況だった。
ともあれ、きまぐれな天気も味方につけ、
ライブは昨日に負けないほどの人が足を止めて
聞き入ってくれた。
2日目のライブは全編ギタースタイルで演奏され、
最後はおなじみの「What's going on」で幕を閉じた。
その夜、2日に渡る参道ミュージアムの終了後、
ささやかな打ち上げが行われた。
スタッフからのリクエストにより
pop popはそこでも1曲演奏した。
その後、ミュージアムの出展者の中から
優秀な作品を讃える表彰式があったのだが、
pop popにステージ部門賞が送られた。
これには二人とも驚いた。
驚きと喜びを胸に二人は賞状と
副賞としてレインスティックという楽器をもらった。
その楽器は筒状になっている楽器で
降ると雨の音がする不思議な楽器だった。
「二人が演奏している間の雨はこの中に入れておいたよ」
というオチかなぁ、とyasakaは思った。
=== SET LIST ====================================
10/9 piano style
(Opening: Ol'55)
1.Take it to the limit
2.Arthur's Theme(Best that you can do)
3.Woo Baby Baby
4.You make me feel brand new
5.My Heart Will Go On
6.When A Man Loves A Woman
7.Time After Time
8.No Woman No Cry
10/10 guitar style
(Opening: Close to you)
1.Manic Monday
2.Big yellow taxi
3.Long Black Veil
4.I Don't Wanna Talk About You
5.Heaven
6.Don't Know Why
7.What's Going on
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