今頃、古い話でゴメンナサイ。
実はかれこれ ひと月半以上も前から書こうと思っていて、メモとか準備していたネタなんですが・・・
夏場に落ち着いて自分のことをする時間が取れなくて…遅くなっちゃいました。
(´▽`)ゞ
ご存知の方もいるかと思いますが、こんな雑誌を入手したのでご紹介します。

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『フリースタイル 9』
(株)フリースタイル 09年8/20発行
巻頭の【1979 COMIC REVOLUTION】という特集で、
江口寿史さん×浦沢直樹さんと、
いしかわじゅんさん×村上知彦さんの、
二つの対談をメインに、70年代末に台頭した漫画ニューウェーブについて、いろいろ語られています。
前者の対談は、男性漫画家から見た当時の大友さんの影響力について、
後者は当時の作家と雑誌の背景や 流れについて、評論家の目を交えて語られています。
「ニューウェーブ・キーワード事典」なんてのも収録されていて、ワタシの名前と本もちょこっと紹介頂いてました。
この特集では、漫画のニューウェーブが誕生したのは1979年と定めていて、
つまり今年は30周年ということなんですけど、
ワタシがデビューしたのが1978年の秋で、その翌年あたりからニューウェーブと言われる漫画家達の活動が活発になったのは確かですねぇ。
・・・てコトは、ワタシはデビューして31周年!?(仕事してないけどさ)
…オソロシイですねぇ。(^_^;)
上記の浦沢さん以外は、全てその当時に面識や交流のあった方々ですが、
浦沢さんってちょうど4歳年下なんですね。
当時のワタシの読者に最も多かった世代というか・・・
今でも自分の知り合いには、昔読者だったという60年生まれのクリエイタの方が多くて、
どの方もご多分に漏れず、万博チャイルド&大友さん(もしくは宮崎さん)チャイルド世代という感じがする。
ジャスト20世紀少年なんですね。(笑)
この雑誌、次号が出るまで間がありますので、まだ入手できます。
・・・・というか、大きな書店やサブカルチャー系に強い本屋さんなら、
バックナンバーも揃っていそうな気もします。
ワタシは発売日前に、
Amazonで予約ポチっとして買いました。(←まだあるみたい)
ご興味のある方はどうぞ。
フリースタイル公式サイトの編集長日記も面白いでした。
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・・・さて、なぜこの雑誌をご紹介したかと言うと、
ちょうど3ヶ月くらい前に、奇しくも「ニューウェーブ」というキーワードについて、
自分も考える機会があったからなんですが・・・
このことについて、自分の私感を備忘録として書いておこうと思います。
興味のある方は、以下をクリックして読んで下さい。
*****************<続き・ここから>*******************
前の記事でもちょこっと触れたし、後日また改めてご紹介しようと思っていますが・・・
実は10月上旬に久々に本が出版されることになり、
この夏に、その本に掲載するプロフィールの情報を提出する機会がありました。
そこで、ふと考えてしまったんですね。
先ず、自分にとって5年ぶりの出版物だし、
またその本が14年前に出版された、橋本治さんの小説にワタシのカラーイラストが付いた、短編集の復刻(文庫化)なのですが、
・・・つまり、自分をよく知る読者の方だけが見る本ではなくて、
いや、むしろ今となっては、ワタシなど知らない方が多く手にされるだろうから、
ほんの100字程度の限られたプロフに、どんな情報を入れるべきか…と。
実は、ここ数年、ワタシは相方とのコラボレーションで、
「DENS CTAFT」というドッグ・フィギュアの創作ユニットの活動をして居りまして、
そこでは主に相方のクリエイトをサポートする立場に回っていたので、
ワタシ個人の作家活動を知らないお客さんや取引先と接する事が多くなっていました。
正直、漫画と関係ない場所で、あまり自分の事を言う必要もないや…
という気持ちでいたので、(笑)
「DENS CTAFT」の“DENさんの奥さん”という立場に甘んじていたんだけど、
だからと言って、さべあという名前で特に逃げも隠れもしないで居りましたから、
たまに昔のワタシの作品を知るお客さんと巡り合ったり、
様々なドッグクラフトの作家さんとの交流も増えてきて、
だんだんと、対外的に自分の作家としての立場を明らかにせざるを得なくなっていたんですね。
でも、漫画マニアでもない一般の方に、今さら昔の自分の立場を説明するって、
ホント難しい。(笑)
残念ながら4年前に出た旧漫画作品の文庫全集は、
もうAmazonでさえ取扱いが無くなってしまったし、(版元には在庫あるらしいんですけどね…)
かと言って、今 市場に残っている「スージーちゃんとマービー」みたいな作品が、
自分の全てでもないし…。
いや、要するにネームバリューと作品力のある作家になれなかった
自分の非力さが悪いんですが、(笑)
自分が何者であったか説明出来ないもどかしさがついて回るのも、
何だか切ないしメンドクサイ。(´▽`;)ゞ
過去の漫画家としての立場を説明出来る、なんかこう、テキトウな言葉とか、
材料があればいいんだけど…と思ってはいたのです。
・・・たぶん、ちょっと前なら、そんなコト考えたりもしなかったと思うんだけど、
年を取って来ると、あまり後が無いことも意識せざるを得ないので、(笑)
出来る時に、やっておかないといけないコトもあるな…という気がしてました。
この春以降に大病患って、手術で命拾いしたコトも大きいかも知れません。
ともあれ、このタイミングで久々に新刊が出ることになり、
そこに自分のプロフィールが載るという、またとない好機に恵まれたのだから、
少しはちゃんと考えよう…と思ったワケです。
それで、改めて自分のプロフィールの材料を集めるのに
今までの本や、ネット検索で情報を調べてみましたら・・・
自分の名前には、「ニューウェーブ」という言葉がついてまわるのに、改めて気付きました。
いや、ホントにそう書かれてることが多いのねぇ。
●そうか、ワタシは「ニューウェーブ」って書けばよかったんだ。(笑)
◆でも、「ニューウェーブ」って何?(爆)
わかる人、手上げてほしぃんだけどぉ・・・(´_`)ノ゛
と、低燃費少女ハイジのペーターみたいにつぶやいたりして。
そうなんです。
キーワードとしては、端的で使いやすいけど、
「漫画ニューウェーブ」自体、何だか実体がわかんないじゃん。(笑)
・・・そんな時に、上でご紹介した「フリースタイル9」の情報をネットで知りました。
おお!タイムリーじゃないか〜。
まだ発売前だったんですが、即ポチっと予約をしてしまいました。(´▽`)ゞ
そうか、ちょうど30年経って、
あの時代を知る人が、あの時代の見直しを、し始める頃なのかも知れないな…と、
感慨にもふけりました。
ニューウェーブの中心となった漫画家の方々、評論などをしていた文筆家の方々は、
いまやほとんどがビッグネームの先生になられて、大学で教鞭をとられている方も多いし。
(スミマセン、ワタシは見事に落ちこぼれデス…)(´▽`;)ゞ
いつかは、誰かが、この頃の事を上手く総括して、
記録に残してくれないかなぁ…と、内心思っていたりもしてたのです。
(最近目にした情報では、この雑誌以外にも、今そんな動きがチョロチョロとあるみたいですね…)
・・・さて、
「フリースタイル 9」の対談で、いしかわさんと村上さんが
「当時の漫画家で自分で自分をニューウェーブだと思っていた人はいなくて、
評論などの場合は説明抜きで使える便利な呼び方だから使用していた」
・・・みたいな事を語っていました。
全くその通りで、ワタシだって今の今まで、
自分で「ニューウェーブ」なんて自称したことはなかったですから。
だって、そ〜ゆ〜“レッテル”を貼られて、何かにカテゴライズされちゃうのが、
キライだったからこそ「ニューウェーブ」だったんじゃないかと、今でも思うし。(笑)
でもね。
やっぱり、何らかの方法で当事者が記録や形を残すって大事なんだと、
最近は思うようになりました。
(実は・・・今度出る新刊にも、著者と編集スタッフの、そんな思いが込められてるのですが、その話はまた改めて別の記事で)
だから・・・
「ニューウェーブ」を過去の遺物だの、徒花だのと言われる向きもあるみたいけど、(笑)
でもあのささやかなムーブメントは、絶対今の漫画シーンに繋がっていると思うし、
その現れ方や消え方も含め、(ワタシは自分で描くのやめちゃいましたが)
あの当時の自分の漫画の在り方をよく表していると思うので、
ワタシは自分のプロフに「ニューウェーブ」って言葉、
これからは 恥ずかしがらずに 使って行こうと思うわ。ふふ…( ̄ー ̄)
それで初めて「ニューウェーブ」という言葉を知って、
ペーターみたいに、「ニューウェーブって何?」って思った人は、(笑)
こんな雑誌とか、WEBで検索して、探って、掘り起こして、知って下さればいいと思います。
知ってね。(・∀・)人(・∀・)
参考:
・ウィキペディアより
≫ニューウェーブ (漫画)
・文芸批評家・編集者の仲俣暁生さんの
サイトより
≫「ニューウェイブ」という時代
(▼コメント※参照)

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