太陽と月(桜薫る番外編) 1.よく当たる占い

2010/12/2  15:55 | 投稿者: おるん

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◇◆◇1.よく当たる占い

私が新任したばかりの頃の話。
新任教師というものは人並みの器量を持ち合わせていれば大抵モテる。
私も例外ではなかった。
毎日、女子生徒が私を訪ねて職員室にやってくる。
最初のうちは他の先生方も冷やかしたりからかったりだったし、自分でも面白がっていたけれど、そのうち先生方も冷ややかな目で見るようになり、段々苦痛になってきていた。

ある日の休み時間、廊下を歩いていると一人の女子生徒が私の元にやってきた。
この子もまた色目を使ってくるんだろうか…。恋に恋するお年頃とはよく言ったものだ。
そう思いながら、目いっぱい笑顔を作って対応する。
「どうしたのかな?」
「先生、あんまり女子をじろじろ見ないほうがいいよ。」
「??」
「だから、気持ち悪いって。先生、ナルなの?笑っちゃう。」
「…そんなつもりはないのですが…。」
「そ、まぁ、気をつけて。じゃ。」
あっけにとられた私を尻目に、その女子生徒は去っていった。

なんだったんだろう…?
ナルシスト…言われてみれば全くその気がないわけでもない。
昔から女子にはモテると思っていたし。
親から受け継いだ遺伝子のお陰で、背も高い方で細身、顔立ちもどちらかと言えば端整だと思う。
声だって気を遣って話しているんだから。
…こんな風に言われたのは初めてかもしれない。

それから、彼女の事が気になり始めた。
3-Aの相葉ひかり。女子バスケ部の主将。大柄でもないが小柄でもない。
張りのある栗色のストレートの髪。前髪が眉の上で切りそろえられていて、意志の強そうな弓形の眉と大きな瞳が特徴的だ。
普段は友達と楽しそうにはしゃいでいたり、タロット占いなんかにも嵌っているようで休み時間に友達を占ったりしている。
ごく普通の生徒なのになぁ。彼女だけが他の女子生徒と違う、強い神々しいまでのオーラを放っているような気がする。
3-Aの授業が終わって、黒板の板書を消しながら、彼女の様子を見ていた。
さて教室から出ようか、と思ったときに彼女に声を掛けられた。
「先生、またじろじろ見て。あ、もしかして占って欲しいの?」
「あぁ、そうですね…。」
「じゃあ、放課後、占ってあげる。」
「そうですか。では放課後、国語準備室に。」
「…、わかった。じゃあ放課後ね。」

放課後、誰も居ない国語準備室に彼女を招き入れる。
「先生、クラブがあるから少しだけね。」
「はい。わざわざすみませんね。」
彼女がタロットを準備する間にインスタントコーヒーを淹れる。
「良かったらどうぞ。」
「…。」
彼女は返事もせずにタロットカードの束を切って混ぜていた。
「先生、タロットをこうやって混ぜてください。」
クロスの上にタロットを広げて混ぜている。彼女の真似をしようと手を差し出す。
「どれくらい混ぜればいいですか?」
「先生が必要だと思うだけ混ぜてください。」
「では、これくらいで…。」
「…いいですか?」
そう言うと彼女はタロットを一山に纏めて置き直した。
順番に七枚引いて六芒星の形に並べる。
「…どうですか?」
「…先生、恋人居ますか?」
「え?…そうですね。ここだけの話、居ますよ。」
「…彼女とは長いですか?」
「そうですね…。高校で知り合って…二年ほど前からですね。」
「…気をつけて、ください…。もしかしたら良くない事が起きるかもしれません。」
彼女が息を詰まらせてうつむき、そう言った。
タロット占いは全くわからないが、彼女がなぜそう言ったか想像が付いた。
死神のカード。
タロットの絵は不気味だ。ただの占いなんだから、気にすることはない。
「相葉さん、気にすることはないですよ。ただの占いじゃないですか。たまたまこのカードが出ただけでしょう?」
「そう、ですね…。でも、ほんと、気をつけて。」
「そうですね。気をつけるに越したことはありませんね。」
「すみません。私、クラブに行きます。」
彼女はタロットカードを静かに片付けて国語準備室を後にした。

彼女の占いは良く当たった。
それから一ヶ月後、彼女が死んだ。飲酒運転の車にひき逃げされたのだ。

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1.よく当たる占い
2.不良と優等生>
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2010/12/5  20:10

投稿者:おるん

>紫さん
ありがとうございます☆
そうですねー、過去にはこの二人には特別なことはありませんでした。
さてさて、どうなることやら。(^^;)

2010/12/5  14:02

投稿者:紫

バスケ姉とも先生、生徒の関係だったのですね。
でも、前、カフェかどこかで偶然みんなと会ってたときは、過去に恋愛関係があった感じではなかったから、先生の片想いで終わるのかしら?
今後が楽しみです。

2010/12/2  16:03

投稿者:おるん

こちらのブログでも始めました。新連載。

書き溜めている小説は今作でお終い。
今はドリームイベント用のネタを考えています。
出来上がったら、こちらにもアップしたいと思います。
(ドリイベ、入力が大変なので。www)

マイペース更新になりますが、どうか温かい目で。^^;

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