IF 20.鉢合わせ

2019/1/2  23:31 | 投稿者: おるん

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#この物語はフィクションであり、
登場する人物・施設・団体は実在のものとは何ら関係ありません。
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◆◇◆20.鉢合わせ◆◇◆

二重生活を始めて1ヶ月。
相変わらず学校には行ったり行かなかったりだけど、バイトと信弘の相手は順調だ。
ココだけの話、信弘とのセックスが楽しくて仕方がない。
あっちゃんとだったら、きっとここまで楽しめなかったんじゃないかと思う。
やっぱり、女慣れした男の人と付き合うのは楽しい。
大人だから、お金も持ってるし、女の子の扱いも丁寧だ。
そもそもが愛人という役割だから、他の女とも遊んでいるのかもしれないけど、全く気にならない。

(さて、今日はバイトもないし。信弘が疲れてなかったら、たっぷり相手してもらお。
…そうやな、たまには手料理もいいかなぁ?信弘、何が好きなんやろ…?
やっぱ、オーソドックスに肉じゃがとかが間違いないかな?)

そんなことを考えながら学校を出た。
桃谷駅の改札でよく知った顔があった。

「圭子。」
「……。」

そのまま無言であっちゃんの横を通りすぎる。
あっちゃんはそのまま私の後ろをついてきていた。
ホームまでの階段を上りながら、あっちゃんが話しかけてくる。

「圭子、最近、朝からちゃんと学校に来てないって?」

ナッコから聞いたのかな?
そっちはそっちで上手くやってるんじゃない。
あっちゃんとナッコが仲良くしている様子を想像すると無性に腹が立つ。
辟易しながらぶっきらぼうに答える。

「……体調悪かったりするから。遅刻くらい誰でもするやろ?」

横目であっちゃんの顔色を伺う。
あぁ、納得してない顔だ。

「最近、夜、家に居らんで朝帰りしてるみたいやけど?」

よく見ていらっしゃること。
あっちゃんの部屋から私の部屋なんて見えないのに。
わざわざ家から出て、私の部屋をチェックしてたりするの?

「友達んちに泊めてもらったりとか、色々。」

あっちゃんが益々不機嫌になるのが分かる。
ほっといてくれていいのに。

「大丈夫なんか?」

今更、そんなに心配したって遅いよ。

「大丈夫って何が?私、あっちゃんに心配してもらうようなこと何もないけど?」

心配してくれてるあっちゃん。
従いたくなくて、つっけんどんに返した。

「…ほんまか?あんまり無茶するなよ。踏み外しすぎたら戻れんようになるぞ。」

ホントは心配してくれて、ちょっと嬉しい。
でも、それくらいじゃ。もう元に戻れない。

「そっちこそ、私の相手なんかしてんと、塾行って勉強せんでいいん?」

だから、私のことなんか忘れて欲しい。

「塾なんか、1日くらいサボったって、どうってことあるか!」

こういう台詞、もっと早く聞きたかった。

「もう、彼氏でもないのに、構わんといてよ。さっさと彼女作りいや。」

…ごめんね、あっちゃん。

そのまま、帰り道が同じなので2人で同じ電車に乗り込む。
ただ、それ以上話すことはなくてずっと無言だった。

◇◆◇

2人で天王寺駅の改札を出たところで声をかけられる。

「カナ!」
「信弘…!?」
「カナ?ノブヒロ?」

偶然にも程がある。今まで信弘と街中で会ったことなんて無かったのに。
信弘も当然驚いているけど、あっちゃんは驚愕を通り越して呆然としている。
微妙な三角関係。立ち位置も三つ巴。

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「カナ!お前、やっぱり18なんか嘘やんけ!…中学生?」
「あほ!高校生や!」
「あー、もう、どっちでもええけど、俺を犯罪者にするつもりか!」
「ヤることヤって、犯罪者って言われても仕方ないよね!
てか、なんでこんな時間にこんなトコに居るんよ?」
「仕事の移動中や!ちゃんと働いてるっちゅうねん。」

わあわあ言い合いを始めた私と信弘の間にあっちゃんが割って入る。

「ちょっと待て!圭子、この人誰!?」

ここまで来て、お友達って訳にはいかないよね?
彼氏というのもちょっと違う気がするし…。

「えー、私のパトロン。」
「な!?パトロンってお前!」

あっちゃんの顔が青ざめていく。
もっと激昂するかと思ったけど、ショックの方が大きかったみたい。
あー、やっぱりお友達って言えば良かったかな…。

そんな私とあっちゃんをまじまじと見た信弘が言う。

「カナ、コイツ、彼氏?」
「いや、違うよ。只の幼馴染。」
「そうか。じゃあ、君、悪いけど、カナは俺が連れて行くから。」

信弘が私の手を取って、強引に歩き出す。

「ちょ、待ってって!圭子!」
「君、彼女を自分の手元に置いときたかったら、ちゃんと手、繋いどかな。
カナが自分のこと彼氏やって言うたら、そのまま置いてったろかと思ったけど。
今は、俺がコイツの彼氏やから。」
「おい!」
「悔しかったら、どないかして奪い取りに来いよ。じゃあな。」

あっちゃんをその場に置き去りにして、信弘と私は駅の外に向かって歩いていった。


-続く-

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1.序章
19.愛人
21.説教
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