昨日、モレラ岐阜のTOHOシネマズで、映画「アルキメデスの大戦」を観ました。
主演の菅田将暉が、このごろテレビのワイドショーに出て、宣伝してますよね。
今年の5月、呉市の大和ミュージアムを再訪問しました。
また、前日にNHKでアニメーション映画「この広い世界の片隅で」を観ました。
戦艦「大和」の印象は強く残っています。
菅田将暉が演じるのは、東京帝大数学科を中退した数学の天才・櫂直(かい ただし)。
彼の才能を見込んだ海軍少将・山本五十六(舘ひろし)が、明日アメリカに留学するところを説き伏せて、主計少佐として海軍に引き込みます。
平山造船中将(田中泯)や嶋田少将(橋爪功)、大角海軍大臣(小林克也)らが進める大型戦艦建造計画の不正を暴き、阻止するためです。
しかし、資料はすべて機密とされ、ほとんど渡されません。
そこで、櫂は、部下の田中少尉(柄本佑)とともに、戦艦「長門」に乗り込み、戦艦というものを体感、実測し、また設計図を盗み見ます。
そして、かつて海軍と取引のあった大阪の小さな造船所に押しかけ、社長(笑福亭鶴瓶)から軍艦の建造費用についての資料を見せてもらいます。
そうして、大型戦艦の実際の建造コストを算出します。
櫂の活躍にもかかわらず、結局、「大和」は建造されました。
そのへんの事情は、映画をご覧ください。
太平洋戦争の端緒となった真珠湾攻撃は航空機・航空母艦を中心としたもので、その成功はそれまでの大艦巨砲主義がもはや時代遅れになったことを世界に示すことになったと言われています。
そんななか、巨大戦艦「大和」そして「武蔵」が、巨費を投じて建造されました。
壮大で無駄な公共事業だったわけです。
実際に、両艦とも、大した戦績を上げることもなく、あえなく沈没してしまいました。
いくら数学の天才とはいえ、そこまではできないでしょう、と思われることを次々と成し遂げていく櫂の手腕は、この映画の見所です。
期限が刻々と迫ってくるので、観客は手に汗握ります。
もうひとつの映画の見所は、「大和」の沈没シーンです。
日本のVFXでも、ここまでできるんですね(技術というよりは予算の問題でしょうが)。
大迫力なので、3D版で観たかった(アメリカ映画だったら、3D版が作られたでしょう)。
ただ、遠景の乗組員たちの顔がのっぺらぼうだったような気がします。
レゴブロックの人形みたいでした。
Wikipediaによると、原作は単行本16巻におよぶ長大なもののようです。
2時間余の映画にするには、かなり大胆にカットして脚本を書く必要があったことでしょう。
撃墜された米軍パイロットを、水上飛行機がやってきて救出するシーンがありました。
それを見ていた日本海軍兵士があっけにとられます。
日本軍ではありえなかったでしょう。
こういうエピソードは、ストーリーを豊かにしていると思います。
原作を読んでみたいものです。
エンドロールはどんなに長くても、最後まで見ることにしています。
この映画の制作にあたっては、防衛省や江田島の海上自衛隊の学校(旧・帝国海軍兵学校)が協力したことを知りました。
へえ、そうなのか!
私の評価は、☆☆☆☆