料理長不在の日曜日。。。。暇な夜だった。。。。
私は お客さんの中のオープンキッチンで働いていて
裏のキッチンの責任者が
「今日 ヒマだから 9時半で俺、帰るけど、
10時か 遅くても10時15分には 若い方の皿洗いを帰してくれる?」
と 言ってきた。
毎晩 閉店時間までは 私が監視役だからだ。
この日 皿洗いには
姉妹店からヘルプに来ていたトーマスと
マリオという若い子が働いていた。
トーマスのヘルプは これで3度目くらいか、
洗い物を持っていくと、
「ありがとう」 と トーマスが言ってくる、
仕事もきれいで良い人だなあ、と ずっと 思っていた。
9時50分、若い方の皿洗いマリオに 「10時で帰っていいよ」 と言い、
残るトーマスに 「一人で大丈夫でしょ?」 と 言ったら、
いつも 笑顔で仕事をしてくれている トーマスが いきなり キレて、
「大丈夫なわけないだろう!!! 見ろよ!この 洗い物の数!
あいつがいないと 出来るわけないじゃないか!」
と見たことない怖い顔で怒鳴りだした。
え????????? この人、こんな人????
私だって 時間や、客の数、仕事の進み具合 を見ながら
大丈夫だと踏んだわけだ。
そして 何より このトーマスならば 問題ないだろう、と思ったのに
この 豹変ぶり。
「じゃあ、何時まで 彼にいてほしいの?」
と 聞いたら
「11時」
と 言ってきたが、
厨房および ホールスタッフが すでに 各部署ワンオペで回しているのに
皿洗いが 二人も残せるわけもなく、
「無理だね。10時15分、これでマリオは帰す」
と言ったら トーマスさらに激怒。大声で怒鳴る。
「15分くらいの延長なら いてもいなくてもおんなじじゃないかよ!!
そんなんなら 帰していいよ!!!、すぐに帰せよ!!!」
・・・・・・ どっちなんじゃ・・・・・・
って言うか、この人が違ったような態度、なんなの?
たまに 姉妹店から連れてこられるヘルプの皿洗い、
年のころなら30後半くらいか、
おそらく
私のことを パートのオバちゃんくらいだと思ってるんだろう、
料理長も 副料理長も ナンバー3もいない厨房で
わけのわからん オバちゃんに指示されてキレた、と 言ったところか。。。
普段 いい人だと思っていただけに この豹変ぶりに一気に気分が悪くなった。
そこに 姉妹店で飲んでいたうちのキッチンスタッフが戻ってきて、
トーマスは彼に 私がマリオを帰したことを激しく非難した。
「それ、俺が ケイコさんに頼んだの。」
すると トーマスは おとなしく、
「そうだったんですか、すみません」 とな。
ええええええええーーー なに その私と全然違う態度!!!!気分悪ーい!!
そのあと 私は そのスタッフに
「あのトーマス、マリオ帰したら 私に激怒したんだけど、あんなキャラだった?」
「いやー、普段 そんなんじゃないんだけどねえ。。俺もびっくり」
(うちの店の ベーリーズ チョコムースケーキ)
その10分後 話を聞きつけた 姉妹店の責任者 ジョーがはしって
私のもとへとやってきた
「聞いた! 聞いたよケイコ!大丈夫かい?
俺、話聞いて びっくり! トーマス 普段 いいやつなのに!!」
「そうなの。私も びっくりなの。なんで 私にあんなに怒鳴ったの、あの人」
「あいつ、わかってないんだなあ。。。。この店をな、、、
いいか、ケイコ、この店には 二つの法律がある」
「二つの法律?」
「そう、スタッフをクビにする法だよ」
「あるんだ」
「ある。
一つは 料理長マルセロが 決める。
ある日 料理長の部屋に呼ばれて、ハンバーガーでも食べて帰れ、と言われ
給料を渡されて 終わり。」
「ふんふん」
「もう一つは ケイコが判断して 料理長マルセロに言う」
「え?!」
「そうだよ。いままでだって そうじゃないか。
ケイコが気に入らないスタッフは みんな クビになっただろ?
トーマス、わかってないんだなあ、、、そこのところ」
確かに、
この店に来て5年、閉店作業を任されて あらゆる問題を目にしてきた。
時間をごまかす者、盗みを働くもの、私に従わないもの、
私が これはダメだ、と思ったスタッフは 100パーセント この店から消えた。
「だから、な、
ケイコが あいつを気に入らなければ、料理長に言えばいいんだよ。
翌日には 料理長の部屋に呼ばれて 最後の給料を渡されるんだから」
と ジョーは 言って 笑った。
仕事で 嫌なことはつきものだ、
嫌な同僚は必ずいる。
だけど
我々は仲間で、チーム一丸となって 働いている。
私がこうして 嫌な思いをしたら
聞きつけて 走ってきてくれる仲間に感謝だ。
まあ、こんなことぐらいで
法の適応にはならないのだが(笑
人の二面性というものを 目の当たりにして
人間の難しさを知った。
料理長が
「 いい人だと思っても 1年以上の付き合いが無ければ 信用はしない」 と
言ったことを思い出した。
暇な日曜の夜だったが 心は忙しかった。

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