「プティトワーズの音楽メモ」では
Les Petitoisesのレパートリーなどを中心に、音楽にまつわるいろいろな事柄をご紹介
第一回目はフランスの作曲家
カミーユ・サン=サーンス(1835〜1921)
サン=サーンスはモーツァルトに並ぶ神童と言われ、なんと10歳でピアニストとしてデビューしました。また音楽だけでなく詩や天文学、数学、絵画の分野でも才能を発揮しています。その博識さゆえに他人に厳しく超一流の人しか認めることができず、少し
鼻持ちならないところがあったようです

見た目は温厚そうなのに、それはちょっとイヤかも・・・
5/24のコンサートではサン=サーンスの作品から
オーボエソナタ(Eriko&Mikiko)と
死の舞踏(Shima&Mikiko)を演奏しました。サン=サーンスはとても長生きで、86歳で亡くなる最後の年にオーボエソナタ、クラリネットソナタ、ファゴットソナタなど木管楽器のためのソナタを次々に作曲しました。「
オーボエソナタ」は春の風を感じるような第1楽章、牧歌的な第2楽章、軽快な3楽章とシンプルながらそれぞれの楽章の性格付けがとても印象的な曲です。全体的に派手さはなく、さわやかに音が流れていく曲ですが、さすが最晩年の作品。力みはないけれども渋くて熟成された印象です。
ある日のErikoとMikikoの練習風景・・・
Eriko「1楽章は春の風がふぁ〜〜って吹いて、桜の花びらがひらひら〜〜って舞うイメージなんだけど

」
Mikiko「なるほど!そうなんだ

」
Eriko「2楽章はスイスのアルプスって感じ

」
Mikiko「そっか!私は途中のAllegrettoからは砂漠をラクダが歩いているイメージだよ

」
Eriko「確かに

でもアルプスの後に砂漠のラクダは繋がりにくいから、アルプスに放牧されてる牛でどうかな

」
Mikiko「OK〜

」
Eriko「3楽章は・・・インチキ運指見つけた!!絶対みんなこの指使ってるって〜〜!!」
Mikiko「ふ、ふ〜〜ん

」
一方の「
死の舞踏」は比較的若い時代の作品。フランスの詩人アンリ・カザリスの詩「死の舞踏」を元にした曲で1872年に歌曲として作曲され、ついで1874年に今日最も知られる管弦楽曲版に編曲されました。よっぽど気に入っていたのか、さらに
ヴァイオリンとピアノのために作曲家自身によって編曲された版を今回は演奏しました。
真夜中の12時を告げる鐘の音


、墓石の上に現れかかとでリズムを取りながらヴァイオリンで
不協和音を奏でる死神。死の舞踏の始まりです


墓の中から骸骨たちが出てきて、かちゃかちゃ音を立てながらダンス

一晩中踊りは激しく最高潮に達しますが、朝を告げる雄鶏の鳴き声と共に舞踏は終わり、後には元通り静かな墓地の風景が残るばかり・・・。
こうした
場面の変化がとても効果的に演出されています。
コンサートではお話を交えながらサン=サーンスの異なる時代の2作品を続けて演奏し、年代や楽器による印象の違いを感じていただきました