♪るん♪るん♪るん♪るん♪・・・
今日は久し振りの、佐藤豊彦先生のスタジオでのレッスン。
ついにテオルボもガット弦に張り替えられました!
も〜、その音ときたら、背筋がゾクッとするほど

素晴らしい!

軽く弾くだけで、全身に振動が伝わって、身体も共鳴するのが判ります。
今まで、ルネッサンスリュートとバロックギターにもガット弦は張ってありましたが、
超低音のテオルボに張ると・・・ボンッ、ボンッ、地の底から響いて来る!
オーケストラを底辺から支える、コントラバスの音さながらです!!
あれも歌いたい、あ〜これもピッタリ!
イマジネーションがどんどん湧いてきます。
バロック音楽の要だった楽器・・・当たり前と、つくづく納得。
弦の張替えは思ったより大変で、2時間近くかかってしまいました。
では、その様子のドキュメンタリーをば。
ブリッジ(弦を結ぶところ。黒くて細い木の部分)が何と黒壇(こくだん)。
普通は柔らかな梨の木を使うそうですが、黒壇は堅いので穴を開けるのが大変。
先生が、慎重にドリルで開け直してくださっているあいだ、
不器用な私は、(多分、クチを開けて)見ていただけ。
梅雨のため湿度がすごく、室内での作業となりましたが、
黒壇の削りカスは、踏むと足が真っ黒になってしまうそうで、
一つ削るたびに、縁側で粉を吹き飛ばします。
先生の、弦張替え用道具箱をちょっと拝見。
ワタシ「このドリルは、楽器専用の特別なモノですか?」
先生 「ううん、普通のだよ。そこら辺の店で売ってるモノ。
一番良いのは、そうだね・・・100円ショップかな?」
100円ショップ〜? 楽器は超珍しいのに、道具は・・・庶民。
先生はとても器用な方で、古楽器の調整は当然ですが、木工も、料理もプロ級?
専用の作業台やら、板前さん並みの包丁の列とか見せていただいて・・・あぜん。
ナット(ペグで弦を巻き取る手前の、弦が並ぶところ)が高すぎたので、
削って低くしていただいているところ。でも、何の料理?ってカンジです。
放っておくと湿度のせいで、どんどんネックが曲がって、
弦の張力でブリッジに圧力がかかり過ぎ、
ポンッ、と本体から外れてしまうこともあるとか。危ない、危ない。
このナットは、骨で出来ているらしいです。他に象牙や、角製のものもあるとか。
弦の種類や製造方法や、先生のお話はとても興味深くて、製作秘話?とか、
本当に良くご存知と思ったら、今、リュート界で使用されている弦は、
(ナイロン、ナイルガット、ガット弦・・・etc)は、先生がその開発段階から、
かかわっておられたものばかりとか。
「赤い弦」は金属の粉を塗りつけて、比重を重くすると言うことだったので、
実際作ってみたけど、均等にならないので、音程はサイアクだった。
そのうち、それは誤りで、単に腸を漂白してなかったから赤かったんだと、
最近判った話とか、
かつては弦の製作家にも、それぞれ得意な太さと、そうでない太さがあって、
低音弦はこの人の、高音弦はこの人、中間のは・・・etc.のように、
組み合わせなければならなかったけど、ここ15年くらいでガット弦の質がとても良くなって、その手間が無くなったとか、(ふう、始めたのが今で良かった。)
・・・面白い話が次々と。
6,7弦には「萌え系

」のピンクの弦が張ってあります。
細い銅線がらせん状に巻き込んであって、キラキラ

してとても綺麗。
(うーん、写真の写りがイマイチで残念)
Gimp(ギンプ)というこの弦、ガット弦の上に巻きつけてあるのではなくて、
中に均等に巻き込む、とても難しい技術が使われていて(でも全部ハンドメイド)
製造出来るのは、この工房(ガムート社)だけだそうです。
そうこうしているうちに完成!
あ〜、早く帰って弾きたい!!
先生、ありがとうございました。
先生の新CDとか、コンサートとかまだまだ書きたいのですが、
とりあえず今日は、弦替えリポートでした。

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