11人同時退場 Bリーグ大荒れ試合 場内は騒然
日刊スポーツ 10/31(月) 10:10配信
<バスケットボールBリーグ:千葉70−82A東京>◇30日◇船橋市総合体育館
千葉−A東京戦で、両チーム合わせて11人が同時に退場となる前代未聞のハプニングが起きた。第1クオーター(Q)の6分過ぎ、2選手の小競り合いからベンチの選手がコートに止めに入り場内は騒然。審判がビデオで確認し、千葉6人、A東京5人が退場となった。ベンチ入りを含めて千葉6人、A東京7人で戦った試合は、A東京が82−70で勝利した。
第1Q6分過ぎ、A東京のギレンウオーターがチーム14点目を決めたとき、反対側のコートで小競り合いが起きた。A東京の菊地と、千葉のアームストロングがもつれて転倒。起き上がった際に、もみ合いとなり、アームストロングが菊地を投げ飛ばした。
審判の笛が鳴らないまま、両軍ベンチから控え選手が飛び出した。A東京のギレンウオーターが、興奮したアームストロングを抱え込んだ。そこでようやく、笛が鳴り審判が両軍選手を分けた。3人の審判団はコート脇中央のオフィシャル席でビデオを確認。アームストロングとギレンウオーターを暴力行為で退場。プレー中にもかかわらずベンチからコート内に入ったという判断で千葉5人、A東京4人を退場とした。
審判団のビデオチェックは約10分にも及んだ。その間、観客席からは「早くやれ」の声も飛んだ。加藤主審が11人の退場を説明すると場内は騒然となった。国内はおろか、海外でも例を見ない大量退場劇。残された千葉6人、A東京7人が残り約33分を戦った。試合は82−70でA東京の勝利で終了。試合後の両軍選手は疲労感いっぱいだった。
A東京の伊藤ヘッドコーチは「3305人の来ていただいた方々、中継を見ていた方々に申し訳ない気持ち。なぜこうなったのかみんなで検証しないといけない」と話した。Bリーグが開幕し、選手もチーム数も試合数も一気に増えた。試合は激しく、よりスピーディーになる中で、審判のレベルが追いつかず、一定しない笛に選手もベンチもイライラを募らせる場面が目立つ。今回のハプニングは、それが一気に噴出した形だ。千葉のエース富樫は「ここまでの退場者は人生で初めて。審判にも間違いはある。外国人がイライラするとかあるが、国が違えばルールも違う。我々が考えてプレーしないといけない」と冷静に話していた。Bリーグは今日31日、規律委員会を開き、暴力行為で退場になった2選手の処分を検討する。
◆バスケットボールの退場 パーソナルファウル、テクニカルファウル、ディスクオリファイイング・ファウルの3種類の反則があり、パーソナルファウルは、プレー中の相手の動作を妨げる反則。5回で退場となる。テクニカルファウルは、身体接触のない悪質な行為で、相手選手やコーチへの暴言、遅延行為など。2回の累積で退場。ディスクオリファイイング・ファウルは即退場になる反則で、スポーツマンらしくない行為に対する反則。今回の大量退場は、このディスクオリファイイング・ファウルに当たる。暴力行為に関わったことと、暴力行為が起こりそうな場合に、ベンチの選手はコート内に入ってはいけないというルールに抵触した。暴力行為が起こった際に止めに入ることが許されるのは、ヘッドコーチまたはアシスタントコーチのみと定められている。

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