「ノー、ブッシュ!!ノー、ブッシュ!!!」
子供たちが声高らかに叫んでいます。
ここは、EASTBANKの一画、ビリーン村。
ある意味、世界一安全に(本当かいな)インティファーダが見れる場所のひとつです。
インティファーダとは、第一次中東戦争後(確かそうだったと)、イスラエル兵たちの横暴な態度や屈辱的な扱いに不満を募らせたパレスチナ一般市民が、武器も何もない中、石などを手に取り、イスラエル兵に抵抗を試みた自発的な運動です。
ここ、ビリーン村は、国連の決めた規定より大幅に土地を奪ったイスラエル側に抗議するため、毎週金曜日にインティファーダのデモを行っています。
イスラエルとパレスチナ自治区を隔てる壁。
一般人も見学出来るということで、勇猛果敢で、行動的で、怖い物知らずの私は、もちろん、最前線で見てませんでした。
はい。
だって怪我したら怖いも〜ん。
だから後ろの方から、ちょこっと覗くことに。

インティファーダの行進。
インティファーダの典型的な図は、石ころ位しか持ってない非力なパレスチナ人に、イスラエル兵が催涙弾やゴム弾で応戦するというものです。
武装するイスラエル兵達。
パーン!パーン!!
あ、応戦が始まりました。
次々と空から降ってくる催涙弾を避けながら、果敢にも石ひとつで若者たちが抵抗しています。
辺りは瞬く間に煙と火の海に包まれてしまいました。
人々も煙を浴びて、次々と倒れて行きます。
私も人生3回目の催涙弾を浴びてしまい、涙が止まりません。
その時、親切なパレスチナ人の叔母さんが、さっそうと「これを使いなさい。」と取り出してくれました。
玉葱。
果たして本当に聞くのだろうかと疑問に思いつつも鼻にかざしている間に、次々と人が運ばれ応急処置を受けています。
そして、それをとり囲む、マスコミ、マスコミ、マスコミ。
次々と人が倒れて運ばれていきます。
ああ、テレビでよく見るあの映像は、こんな風にして撮られているんだ。
と、感激していると、
あら、あらら?
マスコミの撮影が終わったとたん、倒れて今にも死にそうな顔をしていた人が、ひょいっと立ち上がったかと思うと、笑顔でスタスタ歩いて行くではありませんか!
よく見れば、他の倒れていた人々も、ひょいひょいと立ち上がっています。
なるほど、あれはメディア向けの演技だったのか〜。
インタビューを受ける人々。
もともと、市民の中で自発的に起こったインティファーダ。
第二次中東戦争か第三次中東戦争の引き金にもなった(すいません、資料なくなってうろ覚え)インティファーダ。(あれはシャロンが悪いよね〜。)
でも、世間から注目を失いつつあったパレスチナ問題に、世論の関心を再び集めさせた意味もあるインティファーダ。
アラファトさん、あなたの戦略は未だに受け継がれていますよ。安心して!
そうそう、アラファト議長のお墓にも行ってきました。とっても立派でしたよ。
アラファト議長のお墓。
ここ、ビリーン村で行われているインティファーダは、メディア向けの意味が強いかも知れません。
しかし、もちろん演技だけではなく、実際に危険が伴う時もあるのを覚悟で、世界に訴えているのです。
今年初めのガザ地区爆撃では、インティファーダが起こり、死者も出たそうです。
とても残念でありません。
そうそう、冒頭に書いた
「ノー、ブッシュ!!ノー、ブッシュ!!!」
社会見学(?)の子供たちが口々に叫んでいました。
見学者の中には、何人かアメリカ人もいたみたいだけど、どんな心境だったんだろうな?

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