7月〜8月は、さすがに涼しい山歩きをしたくて何回か遠出をした。
以前から行きたいと思っていた乗鞍へは、ツアーに参加することで7月の終わりに実現。
今までの中で一番高い山だが、ガイドさんが同行なので安心だ。
梅雨明けが遅れたこともあり、標高2702mの畳平からの歩き始めは曇り空。今にも雨粒が落ちてきそうだった。
「この日を楽しみにしていたのに・・・」と一時意気消沈したが、気を取り直して3026mの“剣ヶ峰”を目指す。
ガスは一瞬のうちに全てを蔽うが、たえまなく動くので、周りの景色が劇的に現れる様子は何んともいえず感動的だ。
涼しげな雪渓は、ところどころに雪解け水を湛え、遠くに夏スキーを楽しむ若者の姿も見えた。
“肩の小屋”から本格的な登山道になったが、突然雨足が強くなり周囲がほとんど見えなくなって心細い想いにかられた。個人では途中で断念していたかもしれないが、団体だと周りに励まされたりで、いつの間にか歩きとおせてしまうからありがたい。
悪天候で目指す頂上は見えなくても、登山道などに咲くイワカガミやハクサンイチゲなどの花が目を楽しませてくれたし、他にもコマクサやチングルマ、コバイケイソウやコケモモなどの高山植物が豊富なのが嬉しかった。
でもゆっくり写真を撮っている余裕はない。
岩場やすべりやすい砂利道などもあるので、慎重に歩かなければ・・・と自分に言いきかせ無事山頂に到着したが、下界が見えないので3000mを超える山の上という実感がなかった。
残念・・・でも歩けただけ良しとしなければ。
下山の途中振り返ると、登るときには見えなかった頂上がガスの中にぼんやりと浮かんでいた。
晴れて周りが見渡せたらどんなに素晴らしいだろう・・・。
「絶対また来るからね!!」と強く思った。