「モンゴルに1万冊の絵本を贈ろう」という、呼びかけがあるのをご存知でしょうか?
ポカポカ陽気に恵まれた2月初め、「モンゴルの話を聞こう」と題するイベントに参加するため町田市のM小学校を訪れました。
これはNPO法人「国際交流は子どもの時から・アジアの会」が、昨年秋“モンゴルに1万冊の絵本を送ろう!”と呼びかけた事がきっかけで開催されました。また絵本の提供と同時に、集まった絵本の保管・分別などの作業に協力をしてくれる小学校を募ったところ、M小が名乗りを上げてくれたので、同校の子どもたちにモンゴルの事を知ってもらおうというのが目的との事。
「アジアの会」のことは、親しくしているTさんから何度も話を聞いていて、何か役に立てることがないかな〜と思っていたので、思い切って「写真係はいらない?」と申し出、この日のボランティアデビューとなったのです。
途中何度も道を聞きながら到着した会場には、華やかな色彩のゲル(モンゴル語で家)やモンゴルの民族衣装・写真展示などの準備が整い、子どもたちが興味深げにゲルに出入りをしていました。
この日のプログラムは、絵本「スーホーの白い馬」の読み聞かせや「馬頭琴」の演奏に続き、昨年夏に80日間をかけ2,800kmモンゴル大旅行に参加した中学生2人の体験談と盛りだくさんな内容です。
モンゴルの民族楽器「馬頭琴」は、さおの上部に馬の形の彫刻があり、2本の弦と弓には馬の尾が使われ、音色はチェロに似ていて時々和音のような音が聞こえました。弦楽器を弓で奏でて何故複数の音が・・・?とても不思議でした。
2人の冒険談が始まり、広大なゴビ砂漠の写真を見ながら「このタイヤ跡が国道で、この跡を目印に旅をしました」との正雄君の言葉が、モンゴルでの旅の大変さを物語り、それだけに、この経験は2人にとって何にも替えがたい大きな財産になったことを実感してしまいました。
小学生からの質問の「トイレはどうしたの?」「ご飯はどうしてつくったの?」「お風呂は?」などにも一つ一つ丁寧に答えていた2人。
恥ずかしそうに言葉少なに、それでもニコニコと笑顔を絶やさず話してくれた海ちゃんと、しっかりした口調で、体験談や写真の説明をしてくれた正雄君に心から拍手です。
2人の感想(アジアの会会報に掲載)にもそれぞれの想いが満ち溢れていました。
正雄君「・・・今まで当たり前だと思っていた生活の全てが、本当はすごく幸せだったのだと気がついた・・・旅は、つらかった・寒かった・痛かった・きつかった・ねむかった。でも、貧しいと思ったモンゴルで出会った人たちは、明るく元気で親切な人だった。旅でいろんな人たちと出会えてうれしかった。」
海ちゃん「・・・日本は便利すぎてモンゴルの子たちより会話が少ないなあということです。モンゴルの子たちは大人と一緒に働くから、家族全員で笑いながら話しています。日本とモンゴルの笑顔は全然違います。日本は無理やり笑っている感じがします・・・」
豊かさに慣れ、何もかもが当たり前で感謝の気持ちを忘れがちなこの頃・・・。貧しいがゆえ、何でも大切に思えることとのどちらが本当の幸せ?と、この2人の体験談を聞きつくづく考えさせられたこの日は、私にとっても貴重な一日になりました。
写真撮影ボランティア・・・自分の好きなことが少しでも役に立てばとの想いからのチャレンジですが、これからどんなシーンが待ち受けているのか楽しみです。
また、「アジアの会」では絵本の寄付を2007年2月20日(月)まで受け付けていますので、よろしければご協力をお願いします。詳しくはアジアの会ホームページをご覧下さい。
http://www.geocities.jp/yoshiyt93/kyodo.htm