2007/4/9

思い出のライン5 バナ(1級)フクベ  おきよの思い出のライン

「きよちゃんに是非やってもらいたい綺麗なラインが一本、フクベにあってん。」

このラインに出会うきっかけとなったのは、我が道場に来てくれている三豆ちゃんのその言葉だった。

2006年10月、真っ青な空に、透き通った風が吹く気持ち良い日だった。三豆ちゃんにそのエリアに連れて行ってもらい、初めてそのラインを見た時、正直その高さにすくんでしまった。
でも、「この岩の上がり口はココです。」と、呼んでいるかの様に岩の真ん中に一本の細く美しいクラックが、スーっとリップまで続いているのを見て「登りたい」と強く思った。

トライ開始。
一直線に伸びたクラックはバランスが悪く、何度か体がはがれたが、トライを重ねるうちになんとかリップにたどり着くことができた。
クラックの最上部分はガバだったので、安心しきって最後の乗り越しムーブに移ろうと上を覗き込んだ。

「え?えぇーーー??」「核心はここ?」

足下3、4m。下から見るよりかなりの高度感を感じる。
この位置で、右手はガバより奥の悪いカチに送り、左手は指先がかかる位の結晶を保持して体を引き上げ、左足を腰上の位置にある結晶にハイステップで乗り込まなければいけない。
恐る恐る乗り込む体勢に移ろうとした。
「やばい・・」
そう思ってしまった瞬間、指先からジュッと汗がにじみ出し一気にぬめりだした。
「駄目だぁーーーー」
激しく打つ鼓動を聞きながら一旦クライムダウンした。
「あぁーーーどうしよう・・・あの一線を越えなければ・・・」
私は正直迷った。このまま逃げようか・・・。

2、30分経っただろうか。ようやく心と体が落ち着き気持ちが固まった。
「やる!次突っ込む!!」

取り付く前に大きく深呼吸し、トライを開始した。
さっきよりも丁寧にクラック部分を進みリップへ。必死に平常心を保とうとしながら両手を保持し左足を結晶へ。

(お願い!ぬめるな!抜けるな!すべるな!)

「・・・・・・・!」

「よっし!」

左足に完全に立ち上がって、やっと届く程はるか遠くのガバをしっかりとつかんだ。
そして手を返して一気に岩の上へ。

「あぁ、良かったぁーー、、、」
「登れたよぉー。生きてたよぉー。」
岩から下を覗くと三豆ちゃんとマーシーが安心した顔でこっちを見上げ拍手してくれていた。

「ありがとう。ありがとう。」

岩から降りてホッとし、登ったラインを見上げしばらく余韻に浸っていた。

三豆ちゃんの紹介のおかげで、また一本美しいラインに出会えることが出来た。
グレードに関係なく、同じラインを見て同じように「きれいだ」と共感出来る素晴らしいクライミング仲間を持って本当に嬉しい。
三豆ちゃんにも岩にも感謝です。

「本当にありがとう」



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