
昔々子どものころ、倉敷駅のホームで発車待ちをしているD51を見ていて、「まだ、発車しないからいいよ!」って機関室に乗せてもらったことがあったのです。
燃える石炭から強烈な熱と光を発していて、ハンパでない空気の熱さと匂い。強烈なインパクトを受けました。
たった1分くらいだったけど、そのときの情景は今でも絵に描けるほど覚えているのです。
そして、発車シーンで今乗せてもらった機関車が、とてつもない長さの貨物を引っ張っていく姿を眼の当たりにして、その力強さに畏怖の念をも覚えたものです。
あの、蒸気機関車のシュッシュッというドラフト音、汽笛、煙の匂い、蒸気。そのどれかひとつに触れても、瞬時にあの倉敷駅での情景が眼に蘇るのです。
蒸気機関車は、鉄なんだけど、自分の中では今でも”生き物”です。
五感に刻み込まれた蒸気機関車に、もういちど会いたい気がしてきました。
<ののちゃんより>
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