今月のテーマ 

2010/4/9

膜のお話B  臨床レポート

今日は膜の損傷と修復について書いてみますね

浅層の膜は真皮(皮膚)のすぐ下にあり身体全体を包みます。
頭の先から足の先まですっぽり覆った全身タイツを着ていると想像してください。

この膜のテンションにより人の外形が保たれています。

この部分では水と脂肪を貯蔵し断熱材の役割を果たします。
皮下脂肪とはこの浅層の筋膜に脂肪が貯蔵された状態のことです。

だから、脂肪吸引なんてやった時にはこの浅層の膜がズタズタになってしまいますよね!

怖すぎです。

この膜が外傷(怪我や軽い打ち身)などで損傷し、その傷が修復される課程で瘢痕組織が出来てしまいます。

傷ができた時は身体にとっては緊急事態!

そこで、とりあえず応急処置的な修復を行います。
具体的には傷口を塞ぐために繊維(コラーゲン繊維)を四方八方に伸ばして傷口を固定してしまいます。

傷が塞がったところで本来の動作を繰り返すことで、本来の繊維方向以外の繊維、つまり動きのじゃまをする線維が切れていき、もとの配列の整った線維が残るのです。

ところが、損傷により痛みをかばうような動きのパターンに変わってしまい、その後も間違った動きを続けた場合には繊維の配列も間違った動きに合わせて変化してしまいます。

また、損傷をかばうことで本来の動きをしなくなってしまうと、とりあえずの修復で固定された線維がいつまでも残り、動かない部分が出来てしまいます。

人間が生きていく日常の中で、小さな怪我や損傷などは頻繁に起こっており、その結果このような間違った修復や適応、瘢痕、滑走の低下(膜の表面での滑りが無くなった状態)などが全身に積立貯金のように貯まってくることで身体に歪みが生じたり、機能低下や異常があちこちで出てきます。だから年をとるほどいろいろな問題が出てくることになるのです。

それに加えて、縫うような大きな傷、皮膚が引きつるような大きなやけど、手術の傷、骨折などの大きな怪我などは、表層の膜だけでなく深層や、最深層の膜にまで大きな影響を与えてしまいます。

怪我や病気になってしまい、このような傷を負い、瘢痕や膜の損傷などが生じてしまうのは、生きているのだからある程度は仕方のないことです。

問題は、その後どうするか!

つまり、手術の傷に対するリハビリ、打撲や擦り傷が治ってからの膜のリハビリ、捻挫や脱臼、骨折の固定により生じた膜の滑走制限(癒着)のリハビリなどを毎回きちんと行う事が大切なのです。


欧米では近年これらの軟部組織の瘢痕に対するリハビリを積極的に行う動きが出てきていますが、日本ではまだまだですね。
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