今月のテーマ 

2009/6/3

肺性心  臨床レポート

今日は「肺性心」について紹介します。

どんな病気?

「肺性心」とは、肺の病気が原因で肺での血液の流れが悪くなり、肺へ血液を送り出している右心室に負担がかかって、右心室が大きくなったり(右室拡大)、右心室のはたらきが悪くなった状態です。つまり、もともとの心臓病でなく肺の病気が原因で心臓に異常が起きたものを肺性心といいます。


どのようにして起こるの?

慢性閉塞性肺疾患、肺結核後遺症、肺線維症などの慢性の肺の病気と、昨日紹介しました肺血栓塞栓症や原発性肺高血圧症などの肺血管の病気が原因となります。
 
通常は慢性に経過する病気が多いのですが、重篤な急性肺血栓塞栓症では、右心不全のためしばしば呼吸困難や意識消失を引き起こします。このような病態を急性肺性心と呼びます。


どんな症状?

咳、痰、易疲労感(疲れやすい)のほか、胸がゼーゼーしたり(喘鳴))、呼吸困難が出現たりします。

進行すると呼吸困難が強くなり、酸素不足のために唇や爪が紫色(チアノーゼ)になったり、静脈の流れが悪くなるために肝臓がはれてきたり、むくみ(浮腫)が出てきたりします。



治療の方法は?

基本的には、肺性心の原因である肺の病気に対する治療を行います。

低酸素血症は肺血管の抵抗を上昇させ、肺性心を悪化させる要因となるので、慢性呼吸不全を合併した肺性心の患者さんでは在宅酸素療法を行います。ただし、不用意に多量の酸素吸入を行うと、血液中の二酸化炭素がたまりすぎ、呼吸が止まってしまうことがあるので注意が必要です。

右心不全に対しては、右心室にかかった負荷を軽くするため、余分な水分を尿として排泄させる利尿剤や、心臓のはたらきを強くする強心剤、血管拡張剤などを使います。


今回の患者さんも、初診の時の問診の間も、呼吸がゼイゼイしていましたし、細かく呼吸していました。また、話している最中に疲れてしまうようで、どんどん身体が丸くなってきていました。

このような、難しい問題を抱えた患者さんを皆さんはどのように診ていくでしょうか?

明日は、私が行ってきた治療とその経過を書いてみます。
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