2008/4/6

(9)うた魂(たま)  映画(2007-08年公開)

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 浅田真央選手の「別れの曲」のパフォーマンスが、17歳の今だからこその可憐さを備えているように、夏帆ちゃんは16歳ならではの輝きを、映画『うた魂』の中で発している。それぞれの年齢が見せる輝きの賞味期限は思いの外短い。だからこそ見逃したくないし、印象深く心に焼き付けられもするのだろう。

 夏帆ちゃん主演映画は昨年の『天然コケッコー』以来。この後『砂時計』も控えている。彼女はすっかり売れっ子女優になった。そこそこに美少女、アクのない清楚な容姿とキャラが、作り手には何色にも染めやすい魅力と映るのか?

 タイトル『うた魂(たま)』は、「歌に魂を込めろ」と言うことから来ている。「体裁を整えたそつのない歌唱ではなく、荒削りでも聴衆の心に届く歌唱を」と力説するヤンキー男子校の合唱部部長。その言説を、反骨心丸出しの強面の外見とは裏腹に、楽曲への深い共感をバックボーンに、魂を込めた力強い歌唱でキッチリ体現して見せるところが格好良い。青春時代、全身全霊で打ち込めるもの、共に頑張れる仲間と出会った人は幸いだと思う。残念ながら私にはそれがなかったな。青春時代を振り返ると、埋めようのない欠落感で心が疼く。今は十二分に幸せなんだけどね。

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 終始ゆったりとしたテンポで物語は進み、少し間延びした印象は否めないが、スクリーンの中で思いっきり青春している”彼女たち”、”彼ら”が微笑ましく、好ましい(ホント、大人から見たら他愛のないことで悩んでいたり、熱くなったり、笑いころげたりするんだよね。)

 お笑いタレントのゴリが35歳にして高校生を演じているが、照れずに直球勝負で、見ているうちに違和感も消える。敢えて彼を起用した理由が何となく分かるような気がする。ひたむきな人を笑えないよね。笑う方がおかしいと思う。

【この映画を楽しむポイント】
最初の20分位は夏帆ちゃん演じるかすみの「ひとり舞台」に耐えてください。失笑ものですが、そんなかすみの成長物語でもあるので。

【歌ってやっぱりいいな♪】
劇中、合唱曲として披露される尾崎豊の『15の夜』、ゴスペラーズの『青い鳥』、そしてモンゴル800の『あなたに』。合唱曲としてのアレンジはオリジナルとはまた違った良さがあって素敵だ。個人の歌唱力が問われるソロと違って、合唱曲は複数の歌唱者が心をひとつにして初めて奏でられるハーモニーが命。それがこのドラマの肝にもなっている。聞き惚れるうちに、改めてそれぞれの楽曲の歌詞の素晴らしさにも気付かされた。

【永遠の薬師丸ひろ子】
デビュー作『野生の証明』(1978)から早30年。同世代だけれど、デビュー当時、まさか彼女がここまで一線で活躍するとは思ってもみなかった。それにしても垢抜けないなあ…良い意味でも悪い意味でも。体型も殆ど変わっていないのではないか?40代を越えても童顔を演出する丸顔はその輪郭線が崩れることはなく、クッキリ二重瞼に縁取られたつぶらな瞳は、その歌声と共に澄んだままだ。時代は変わり、映画は変わり、共演者が変わっても、プライベートでは結婚・離婚を経ても、彼女は変わらずスクリーンの向こう側にいる。紛れもなく薬師丸ひろ子として。そんな彼女のことを、私は一ファンとして、愛情を込めて、「永遠の薬師丸ひろ子」と呼ぼう。




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