2007/12/5

健全なる精神は健全なる身体に宿る…じゃなかったの?  気になったニュース

 学生ラグビーでは強豪と言われる関東学院大で、2人の控え選手に端を発した大麻草栽培・吸引事件が、昨日の時点でレギュラー選手を含めた計14人の大麻吸引が確認される事態にまでなっている。それを受けて、一代で大学チームを強豪に育て上げた名将春口廣監督が辞任した。春口氏は2日から狭心症で入院中。これだけの不祥事ならショックで狭心症にもなるだろう。

 以前、春口氏の講演会を拝聴したことがある。氏はとても小柄な男性でハイトーンボイスの持ち主。そのソフトな語り口は、ガッシリとした体格の男性が”知的肉弾戦”を繰り広げる印象の強いラグビーにはおよそ似つかわしくない雰囲気を醸し出していた(もちろんグラウンドでは違った一面を見せるのだろうけど)。ご自身、その小柄な体でラグビー選手として活躍したこともある、ラグビーをこよなく愛する一人だ。その氏が、このような形でラグビー界から去るのは本当に残念なことだと思う。

 報道によれば、関東学院大ラグビー部は常時150人の部員を抱える大所帯でありながら、ここ10年は春口氏の後継者と目されたコーチ陣が次々とチームを去ったらしい。有能なスタッフを失ったことが選手管理の不備に繋がり、今回のような事態を招いた原因のひとつではないか、という指摘がある。チームの詳しい内実は部外者には知る由もないが、あの春口氏の下をコーチが次々と去った理由が気になるところではある。

 そもそも青少年育成の一環として、特に体育会系の部活動を奨励するのは、ひとつには「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という有名な言葉(古代ローマの詩人ユウェナリスの『風刺詩集』が出典)にもあるように、スポーツを通じて健康的な身体作りをすることによって、精神的成長を促すことを期待してのものだろう。しかし、チームが強くなればなるほど「常勝」が至上命題化され、特に私立校ともなれば学校のPR活動の中に組み込まれるなどして、指導者への成果要求圧力が強まる。このことによって結果的に部活動の本来の主旨がないがしろにされる傾向も強まるようだ。所謂スポーツ名門校と言われる学校は社会的注目度も高く、より一層の自制が求められるから、指導者も目配りが大変だろう。

 何かと指導者の不徳ばかりが取り沙汰されがちだが、最も悪いのは事件を引き起こした選手達である。ハッキリ言って情けない。言葉は悪いが、「頭が悪い」と思う。「自分の軽率な行為がもたらす結果に想像が及ばない」という点で。報道で「遠征先の英国で大麻の種子を入手」とあったが、たとえ気軽に種子が入手できる状況下にあっても、自分の行動がもたらす結果を考えて自制するのが当然だろう。若者ならではの好奇心があったとしても、大麻の吸引が法律で認められていない日本の国民である以上、自分の心にブレーキをかけるべきである。そんな忍耐強さも持ち得ない彼らの精神構造に、「スポーツで(おそらく何年にも渡って)心身を鍛えたことは無意味だったのか」と哀しくなってしまう(息子の同級生を見ていると、部活を頑張っている子は心もシッカリ育っている子が多いんだけどね。学業も優秀な文武両道の子も多い)

 だいたいバレナイとでも思ったのか?悪いことをしたら、やっぱりバレルもんだよ。現に彼らの寮のご近所の人々は、毎晩のようなどんちゃん騒ぎを不審に思っていたのだから。大抵の悪事は白日の下に晒される。寧ろバレタことは彼らのこれからの長い人生を考えれば幸運だったのではないか。つまずいたとしても、若ければ若いほど挽回する機会は多く与えられるのだから。これからの改心次第では、いつか「若気の至りだった」と周囲や社会から許される時が来るかもしれない。

 もちろん「バレナケレバ何をしても良い」なんてことはあり得ない。「悪事を働いてもバレナイこと」はけっして幸運とは言えない。なぜなら一旦悪事に手を染めた者はバレナイ限り、外部からの抑止力が働かない限り、延々と悪事を続けるハメになるのだから。そして精神がどうしようもなく蝕まれて行く。たぶん、それは「生き地獄」。人生の最後に待っているのは「後悔の念」だろうか。

 自分が置かれた環境の中でいかに自分が振る舞うべきか、善悪の基準に照らして判断できる人間に育てること。これはスポーツの世界に限らず、子供達を取り巻く身近な大人、社会全体の責務なのだと思う。”さまざまなアプローチで”精神的に強い人間を育てることは、時代を超えて求められている教育目標のひとつと言えるだろうか?ここでもまた大人の生き様が問われているのだろうね。大人がグラグラしていたら、子供に「心を強く持て」なんて教示できやしない。




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