2020/5/20

距離を超えてオンライン面会  日々のよしなしごと

 福岡の介護施設に入所している義父は、昨年の今頃、(施設の自室内で転倒し、頭を強打して?)外傷性硬膜外血種で一時、生死の境を彷徨った。しかし、医者も驚くほどの奇跡的な回復を見せて、生命の危機を脱したのだった。義父は入院中に米寿を迎えた。

 今年の1月に義母の3回忌で福岡を訪ねた時に見舞った際には、義父は認知症が進んで、もはや自分の息子である夫のことも認知出来ない状態だったが、身体的には見違えるように元気になっていた。

 ところが、今年の4月半ば、今度は就寝中に心不全を起こし、昨年入院した病院に救急搬送される事態となった。入院先が新型コロナ患者受け入れ病院であった為、入院患者への面会は全面禁止で、主治医からの現状報告の電話でしか、義父の病状を知ることが出来なかった。

 しかし、義父はまたもや粘り強い生命力で回復を見せ、約3週間の入院を経て、無事退院することができ、介護施設へと戻った。義妹から退院当日の義父の写真が送られて来たが、1月に会った時とは別人のように、生気のない、表情を失った義父の顔に夫婦でショックを受けた。

 緊急事態宣言下で、その時には介護施設も面会禁止となっていた。そこで代替サービスとして始まったのが、ZOOMを使ったオンライン面会だ。

 早速夫が福岡の介護施設に電話し、義父の担当介護士に義父の現状を確認した上で、オンライン面会の予約を入れた。

 介護士によれば、大分元気になったとの話だったが、義父はどの程度回復したのだろうか?義父とは画面越しに会話が成立するのだろうか?4月の能面のような義父の顔が、一瞬頭をよぎった。

 幸いにも、PC画面に映し出された義父の姿は、私たち夫婦の懸念を払拭するような元気な様子だった。生気が戻り、表情にも明るさがあった。しかも、正気を取り戻して夫のことも認知し、普通に会話が出来る!ごく最近の近況の記憶はないけれど、夫の質問に答える形で、ひとつひとつの記憶を辿りながら昔話に花を咲かせることも出来た。

 30分と言う持ち時間はあっという間に過ぎたが、担当の介護士さんから最近の義父の様子も対面で直接聞くことが出来て、初オンライン面会はとても満足の行く結果を見た。

 もしかしたら、オンライン面会と言う新しい試みに義父の脳も刺激を受けて、認知機能にも良い効果が現れたのかもしれない。

 とまれ、1,000キロと言う途方もない距離の隔たりを超えて、義父と語り合うことが出来た。その元気な姿を確認することが出来た。

 不便は創意工夫の母だ。困っているからこそ、人は知恵を絞り、問題解決の為の新たな方法を生み出す。
 
 親元から遠く離れて暮らす子供にとって、「オンライン面会」は、一般的には忌まわしい禍でしかない新型コロナがもたらした、想定外の価値ある副産物のひとつと言えるのかもしれない。




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