2006/5/31

オリバー・ツイスト  映画(2005-06年公開)

クリックすると元のサイズで表示します

19世紀ロンドンを舞台とした、
孤児オリバー・ツイストの物語。
家族で安心して見られる作品ですね。


先頃見たミュージカル『ベガーズ(乞食)・オペラ』は
18世紀のロンドンが舞台でしたが、貧しい人々の暮らしに、
18世紀も19世紀も大差ありません。
不衛生な街で、着たきりスズメで、食うや食わずの生活。
そもそも19世紀までヨーロッパにおいて、子供は
”幼く未熟であるがゆえに保護される存在”ではなく、
一部の富裕層を除けば、歴とした働き手であり、
働けなければ穀潰しと疎まれる存在でした。
その様子が、この作品でもつぶさに描かれています。

原作者のチャールズ・ディケンズ自身、
下級官吏だった父の借金のために、
わずか12歳で靴墨工場へと働きに出て、
働きながら小学校を卒業したという、なかなかの苦労人です。
彼自身の体験が、『オリバー・ツイスト』に投影されている
のは間違いないでしょう。
ポランスキー監督は60歳を過ぎてから授かった、
幼い二人の我が子の為にこの映画を撮ったと語っていました。
ちょうど親が古今の名作を我が子に読み聞かせるようなもの
でしょうか?それにしても豪華な我が子へのプレゼントです。

主演のバーニー・クラークがとにかく美しい顔立ちで、
オリバー役にハマッています。その愁いを帯びた表情は、
彼と接する多くの人々の同情を誘うようです。
その無垢さが、悪人の心に良心を呼び覚ますことさえある。
でも、ちょっと泣きすぎかな(笑)。

チェコで、路面に石をひとつひとつ敷き詰めるまでして
再現した19世紀ロンドンの街並みや、
街を行き交うエキストラにまで
19世紀的顔立ちの持ち主を求めたという、
監督の徹底したリアリティへの拘りのおかげで、
すんなり作品世界に没入できました。

タイトルバックとエンドロールの版画も素晴らしいです。
あれはエングレーヴィング(銅版画の一種)でしょうか?

映像的にも随所に監督の拘りが感じられる、美しい映画でした。




※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ