2005/11/29


ノーブレス・オブリージュ。
高い地位に伴う道徳的・精神的義務。
これを日本で最も分かりやすい形で実践されているのは、
言うまでもなく天皇・皇后両陛下でしょう。



恐れ多くも、両陛下にお会いしたことがあります。
ウン年前、私が勤務していた官庁系の職場に
お見えになったのです。

施設内のレストランで、
料理長の手になる料理を召し上がった両陛下。
私や数人の女性職員は、即席の給仕役を務めました。
知事を交えての食事会の後、
出入り口に横2列になってお見送りをした際に、
陛下は一人ひとりに目をやられ、
一言「ありがとう」と仰いました。
皇后様は一歩引いた位置に立たれて、
静かに微笑んでおられました。

その時初めて知ったのは、
料理人が両陛下が使われた箸を大事にとって、
額装するということ。片付けの段になって、
料理長がうやうやしく箸を取り上げたのです。
やはり両陛下に料理を召し上がっていただくことは、
料理人にとって名誉なことなのですね。
(ただ、自分がもしその立場なら、
自分の使い古しの物(普通なら廃棄されるはずの箸)を
他人に後生大事に持っていられるのは、
正直、あまり嬉しいものではありません。)

父方の祖父がバリバリの自民党員で、
居間に天皇ご一家のお写真を額装して飾っているのを
幼い頃から目にしていた私ですが、
それまで天皇家に特段興味を抱くこともありませんでした。
しかしこの時以来、そのご活動を注視するようになりました。

一貫した先の大戦の激戦地や被害国への想い。
今年はサイパンにも慰霊の旅に行かれました。
戦時にはまだ中学生であられた陛下に、
直接的な責任はおありでないものの、そのお立場から
対外的には批判の矢面に立たされることも。
しかし天皇家に生まれた、
あるいは嫁いだ運命を粛々と受け入れられて、
貴人としての義務と責任を果たしておられる。
その心労はいかばかりか。

今の日本には社会的に成功をおさめ、
地位・名誉・富を欲しいままにしながら、
その地位に相応しい社会貢献を果たさない成功者が多い
ような気がする。

私は、両陛下が貴人だから尊敬の念を覚えるのではなく、
自らを厳しく律し、ご自分の地位に応じた義務と行為を
立派に果たされているお姿に、心を打たれているのです。

一人娘・清子さんのご結婚には、素直に国民のひとりとして
お祝いを申し上げたいと思います。




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