ネタバレのあらすじ(感想ちょこっと)メモ。
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11巻 超大型巨人、鎧の巨人(ベルトルトとライナー)との戦い。巨人化したエレンが鎧を追い詰めるも超大型巨人が降ってきて敗北。エレンとユミル連れ去られる。4人は森で休み、ライナーは“兵士”と“戦士”の認識が混濁。ライナー、ユミルにクリスタの無事と引き換えに協力を打診する。
見どころはライナーの戦士と兵士の意識、認識の混濁。3年も諜報員をしていて自分すら騙して生きていた感じが痛々しくもある。
12巻 エレン奪還への攻防とエレンが“座標”化に至る、非常に見所の多い巻。ライナーたちは「座標」を探しており、エレンの可能性を示唆。戦闘中はクリスタとユミルの絆、ミカサのエレンへの思いとが強烈に描かれ、お互いが大事なものを守るために衝突する。(大義と実力があるミカサがここでは強い。)
ミカサの、
「私が尊重できる命には限りがある。そして…その相手は6年前から決まっている」
という台詞が印象的。ミカサにとってエレンは「生きる」ことの意味すべてだと思わされる。
大型巨人に馬なし武器なしで対峙し、あわやエレンとミカサの最期かというところは名場面。ミカサがエレンに「私にマフラーを巻いてくれてありがとう」と告白し、エレンが「そんなもん何度でも巻いてやる。これからもずっとオレが何度でも」と告げる。恋愛感情を超越したミカサの思いが巨人地獄の中で炸裂するカオス。エレンは恋愛感情よりも自分の意識のすべてが「巨人を駆逐する」であって、ミカサを家族としか思っていない風だが、自分の係累を巨人から守るという気概というか決意が凄まじい。
エルヴィン団長が片腕を食われながらも「進め!」と叫び、アルミンはベルトルトにアニが拷問されていると嘘を吹き込み隙をつくる。エレンは奪還され、ユミルはベルトルトを助けてライナーたちと共に壁外へ行くことを選ぶ。全てが極限で強烈な展開のなか、ユミルの(この場面での)最後の台詞、「女神様もどこか悪い気分じゃないね」が清々しかった。