先日は地域文庫の読書会で、課題本は『はてしない物語』だった。やっぱり他の人の感想も聞けるのは面白い。
映画の話も出て、エンデは「作品を歪曲した」と訴訟を起こしたくらい映画の脚本が嫌だったことを初めて知った。その訴訟は負けて、エンデは映画の権料よりずっと損をしたそうだけど、訴えたのは無理もないことだったと原作を読み返した今はわかる。
私は映画はテレビで見てウロ覚えだけど、前半の、バスチアンがファンタージエンを救うところで終わるとネットで読んだ。ラストは、ファンタージエンから戻ってきて、幸いの竜に乗っていじめっ子たちを驚かせて終わるのは覚えている。
それ、原作ではいちばんやっちゃいけない部類のこととして描かれているので、本当に正反対のことをしていたんだな。原作の後半は、バスチアンの成長する過程がそれはそれは丁寧に描かれているのに、あんなラストじゃそりゃ怒るというか、悲しくなるだろうな。
でも、映画だけ見ていると分からないんだよね。ファンタジーの世界で冒険して、気持ちだけ強くなって帰って来て、自分の力ではないもののおかげでスッキリするというやり方なんだけど。エンデの物語はあらすじが面白いので映像化されやすいけれど、実際はなかなか映像化が難しい繊細なことを描いているよなあと思った。
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その日、書道教室に行っている方(先生としてか生徒としてかはわからない)から聞いた話。
小学2年生の子が小学6年生の子に、「小説ってなに?」と聞いていて、6年生の子は
「絵がなくて、字ばっかりなんだけど、すごく想像できる本なんだよ」
と教えていた。それで、2年生の子も納得していたそうだ。なんかいい光景。
こういう子どもたちが、世界を健やかにしてくれそうな気がする(甘えちゃだめだけども)。