山口アートネットワーク　

山口に在る文化・芸術を通して、アート・文化施設・市民とまちのネットワークをつなげていくことを目的にアートに関係する情報を身近な視点で発信しています。
また、管理人が日常に感じたアート的なことを“ははララ日記として”ご紹介していきます。

2005/10/12

「今日まで開催、県美展! そして、ポスター原画選考ってどうやって行なわれたの? NO7」　　山口県美術展覧会

10月12日、いよいよ『山口県美術展覧会』も今日までとなりました。お見逃しなく!!
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郷さんデザイン展覧会の看板　※無断転載禁止

◇◆第59回山口県美術展覧会のポスター選考

【詳細編】
【ささえる(ボランティア部門)】
美術館ボランティア

◇山口県美術展覧会のポスター選考の様子◇
今回は、ポスター決定に至るまで詳しい選考の様子をお知らせします。

〇だれが選ぶの?
作品の選出は2002年から、美術館ボランティアさんが担当しています。

県美展の趣旨「つくる・みる・ささえる」をもとに、県美展をアピールするポスターとして適すると思う作品について、今年度は3期生5名が討議選考しました。

〇何点出展があったりの?
61点の作品を8点に絞りこんだ後、さらに意見を出し合いながら2点に絞り込みました。
最終段階では投票によって、1枚の作品に決定しました。
山口市在住の大学生、
郷健太郎さんの作品が選ばれました。

〇どうしてこの1枚を選んだの?
「単一の地色に繊維を思わせるゆったりとした白い線が下から上へと無限に伸びている様は、今はただ紐を束ねた状態ですが、将来もっと太い縄になり、織られて布になり、そのままどんどん伸びてく・・この幾重にも交錯する白い線に未知なる可能性が秘められているように感じられました。
この印象は県美展の「つくる・みる・ささえる」を想起させます。
展覧会に関わる諸活動が連動しながら発展してほしいという願いと作者のコンセプトが合致した作品として選出しました。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　*山口県立美術館ボランティアHP参考
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決定した郷さんのポスター原画　※無断転載禁止
　

〇選考の前にデザインレクチャーを受けました。

選考の前、美術館ボランティア3期生はデザインについてのレクチャーを受けました。

展覧会の運営委員でもある小南英昭（山口県立大学生活科学部助教授）先生から、デザインの基本的なことを学んだ後、視覚的に見えてくる色・形・文字がもたらすイメージについての話を聞きました。
そこに文化的な要素やメッセージ性などの情報を加えることでどんなふうに見え方や受け取り方か違うのか、様々な作品をスライドにてたくさん見ながら学びました。
デザインされた色や形が、自分がもつ経験によって変わって見えてくるコトにも気がつき、これからの選出基準はいったいどこにあるのだろうかと、その役割の重要性に気がつかされるのでした。
これが、美術館ボランティアとしての初めての責任ある活動でした。
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レクチャー受講の様子　※無断転載禁止
　　
〇選考の様子　
選考は、難航しました。
作品は、61点あります。
ボランティア5人の１人１人が作品の前に立ち、近づいたり離れたりして、アドバイスをもらいながら慎重に選んでいきました。

最初は、インスピレーション・インパクトや印象に残るものを選んでいきました。
同じことを何度も繰り返し、最終的に2点にしぼりこみました。
この2点からなかなか決まらずに、2つの作品をどのように思うか、いろんな意見をみんなで出してみました。
そして、最後に1票ずつ投じ決定しました。

不思議なことに私にとっては、選んでいるうちに気になった1枚と最初に部屋に入ったときに飛び込んできた絵の2枚が残り、レクチャーの言葉や展覧会のことを何度も頭に描いて最後の1票を投じました。
そういえば、県美展の審査会時に審査員の1人が言われていました。
「まず見た時の‘直感’と、その作品に訴えてくるものがあるかどうか。」
後になって、ポスター選考でも同じ行動をしていたことに気がつきました。

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ポスター選考の様子　※無断転載禁止

〇選考を終えて
今回の選考は、美術館ボランティア養成講座受講中の3期生にとって初めてのボランティアとしての大きな責任のある役目でした。
デザインがもたらす視覚的な影響力を知ると共に、選ぶこと難しさを目の当たりに体験しました。

今まで何気なく見ていたポスターやチラシでしたが「これは何を言わんとするのか?」、ごく身近な場所にある‘絵’にも目を向けるようになりました。

郷さんのデザインから出来上がったポスターを、身近な場所で見つけてみてください。
ちょっと立ちどまって、じっと見てみましょう!
みんなで選んだ、山口県美術展覧会をアピールする顔の看板です。

〇美術館ボランティア3期生
私たちは、平成17年の5月中旬から3期生として毎週土曜日に美術館ボランティア養成講座を受けています。
この研修は1年間行なわれ、4月になって美術館ボランティアとして正式にデビューします。
ぜひ、美術館でお会いしましょう!お待ちしています。

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