2007年4月の下旬、山口市内のギャラリーで行われた、2つの気になる個展の様子を数回に分けてご紹介しています。
今回は、2ヶ月前の4月、喫茶:ういるびー2F/ギャラリー(山口市吉敷)で行われた、‘保手濱拓・前嶋温子版画展『森の設計図』’の様子と体験談です。
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◆◆◇こんな個展見〜つけた!『森の設計図』NO.2◇◆◆
【開催日時:2007.4.20(金)〜23(月)】
やっと梅雨に入りましたね。
雨が降ると、まわりの色が変わって見えて
不思議な感じがします。
<木版画と石版画(リトグラフ)>
今回の保手濱さんと前嶋さんの展覧会『森の設計図』は、
木版画と石版画(リトグラフ)の技法で制作された作品でした。
ところで、
木版画と
石版画(リトグラフ)??
どんな技法かわかりましたか?
大きなテーブルの上に置いてあった
お二人の道具と一緒に、作品がどんな風にしてできているのかを、
簡単にご紹介します。
【木版画】
木版に、彫刻刀等を使用し、彫って凸をつくる。
そこに、色・墨をのせる。
この上に紙をのっけて、バレンでこ刷りだす。
小学校の頃、図工や美術の時間にやったことがあるから
なんとなく、
イメージがつきやすいのが木版です。
これが、保手濱さんの仕事道具です。
細かい刃の彫刻刀におどろきました。
※無断転載禁止
作品:作品の‘版’ ※無断転載禁止
版は、どれも手のひらサイズ。
1つの作品に対して、思ったより版の数が少ない。
よく考えて、シンプルに・丁寧に彫られていました。
こだわりの墨 ※無断転載禁止
黒い色の版画には、こだわりの墨が使われていました。
『ひめりんご』 ※無断転載禁止
【石版画(リトグラフ)】
石版(よく使用されるのは、アルミ板)に、直接油性クレヨン(リトクレヨン)のようなもので描く。
そこに、化学変化を起こさせる。
その後、インクをのっけて、
水と油の反発作用を利用して、専用のプレス機で刷る。
描いた部分に、そのまんまインクがのっかります。
『どくだみ』の版 ※無断転載禁止
彫る作業がないので、だれにでも手軽に出来ます。
しかし、
実際に自分が体験して刷ってみないと、
石版画(リトグラフ)の技法は、
なかなか理解できないかもしれません。
前嶋さんの道具です。
※無断転載禁止
解墨とリトクレヨン ※無断転載禁止
『どくだみ』 ※無断転載禁止
『どくだみ』3枚の版をみると、アルミ板の上にある
モノトーンな‘線’と‘面’のようです。
でも、描くときの微妙〜な力の入れ具合などが
刷ったときに、素敵な色合いを創りだします。
色の‘重なり’が、きれいです。
<終わりに・・・>
『森の設計図』いかがでしたか?
木版画と石版画(リトグラフ)。
彫る、彫らない。
版画といっても、
よくみてみると、技法がまったく違う。
そんな、
違う技法で
同じ雰囲気を出している・・・。
とっても素敵な、癒しの展覧会でした。
二人の作家さんは、いろんな場所で活躍されています。
保手濱さんは、「
山口県美術展覧会」の入選作家さん。
前嶋さんは、「
国民文化祭・やまぐち2006」プレイベントの
リトグラフ/ワークショップの講師。
皆さんも、まちのどこかで
お二人の作品を、何気なくみていたり
出会っているのかもしれませんね!
※展覧会は、すでに終了しています。
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