「一日一話、新作を書く」という目標を設定し最初の話を書いたのが一年前。
まぁ新作といっても軽いプロットまがいの、思い付きを書き殴るくらいのメモ書きみたいなものでしたが。
そんなものでも塵も積もればとはいいますが、実感は無いが、書きも書いたり全3話!
・・・・・・積もらなければ塵に同じ。
そりゃ実感どころじゃないよね!
ちなみに日付によると2月7日に始まり、最終更新日は2月9日であった。
絵に描いたような三日坊主。いっそ清々しい程に。
最近は何かしようと机に向かうまでは行くのだが、結局何一つ手着かずのまま時間だけが刻々と過ぎ去る、そんな毎日。
色々と宿題を抱えている中で気だけは急くも、自分でも不思議なくらいに身が入らないのである。
逃避に買った本やらDVDやらも積み上がるばかりで全然頭に入ってこないしで逃避資金も底をつく始末。
これもある種の駄サイクルといえようか。概ね一人相撲という辺りが輪をかけて痛々しいけれど。
そういえば最近読んだお嬢様格ゲーマーマンガで「10先」というのが格ゲー用語だと知る。
先に10回取った方が勝ちという、作中の注釈によると一般的な対戦方式らしい。
前にこちらでも宣伝させて頂いた合同誌のタイトルで使われていた単語で、当時は――というより今の今まで、単に「10話分先取り」みたいな意味だとばかり思っていたのですが。
いや、もちろんそういう意味合いも兼ねてはいたのでしょうけども、よもや掛け言葉だったとは。
「技術同様、好奇心も磨かねば曇る」――
同じく作中に出てくるセリフなのですが、耳に痛い言葉です。
どちらかというとキャラや世界観に惹かれて没頭したジャンル。
プレイする方はてんでアレな、頂戴するアドバイスも「コマンドを正確に入力すれば技は出るように作られてるから」という、取説の冒頭に書かれているような基本的なそれからして満足にこなせないレベルとはいえ動画を観るのは好きだった――
といって、当時でいえば今ほど動画という環境が整っていたわけではない、情報共有手段もコミュニケーションノ―トや雑誌などが健在だった頃。
上手い人のプレイに一喜一憂する為に足繁くゲーセンに通ったのも懐かしい思ひ出である。
紫煙の漂う薄暗い環境に鳴り響く電子音。キャラの放つ雄叫びと断末魔の声。
レバーとボタンを操作するチャカチャカという音が、まるで試験開始直後の鉛筆の音よろしく耳朶を埋め尽くすあの感じ。
UFOキャッチャーだのプリクラだのの照明の明るいゾーンには全く縁がなかった、ゲーセンといえばあの暗さと臭いと音、何より熱であった。
次第に遠ざかっていく過程に於いて、一方でゲームのグラフィックの方も格段に進化を重ね、
とりわけオンラインなど対戦環境は随分と様変わり。そも、どんなゲームにもカード挿入口がある時勢よ。
段位だのランキングだのポイントだの、これまでの履歴が記録されることで、視覚的に自身が一体どの程度の位置にあるプレイヤーなのかを知ることが出来る。
尾崎豊の歌ではないが、誰かの喧嘩の話で盛り上がり自分がどれだけ強いか知りたくなるのは少年の常であり、そういった向上心やある種の射幸心を刺激される仕組みは、多くの少年を惹きつけたろうことは想像に難くない。
20年程前に「
ウォーザード」というゲームがありましてね・・・
経験値を獲得することでレベルが上昇。新技を覚えたり新武器を得たりとキャラが成長することが売りの。
まだまだオンラインなど夢の夢なインフラ上の限界もあって、残念ながらパスワードによる記録止まりでしたが。
今であればもう少し手広く、より複雑なそれを反映可能なのではあるまいか是非新作をなどと個人的な願望はさて置き。
そんな中でも最大の特筆事項はプロゲーマーの台頭であろう。
ゲームで生計を立てるなどと凡そ想像もつかなかった、ゲーム少年であれば誰しも一度は抱いたであろう夢のような職業が、今は現実のものとなっているのだから世の中分からんものである。
具体的な――ありていにいえば金銭的な見返りなど無かったどころか白眼視がせいぜいの時代において尚、誰に憚ることなく求められるでもなく脇目も振らず迷わず、己が欲求に忠実にひたすらに技術を磨き続けた。
好きこそ物の上手の極北を体現した変人達が踏み成らしたケモノ道が、今現在のeスポーツ業界の下地になっているのは違えようも無い一面。
そんなプロゲーマーには若い人はもちろん、当時から名前を聞くような近しい世代の方も多くおられることが眩しくも誇らしい。
継続は力なりと言うは易いが、その道を貫き、戦い続けたストリートファイター達が繋いでくれた物。
敬意は尽きない。
てな具合に目からウロコがポロポロと落ちる、ガワに反してリスペクトみ溢れる本作。
リスペクトのある向きには楽しめるのではないでしょうか。
個人的には隆子様と蹴子様の関係性というか距離感が好きです。エモい。
●『
ゲーミングお嬢様』1〜(吉緒もこもこ丸まさお■大@nani/集英社)

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