存在の耐えられない軽さ

2015/9/2 | 投稿者: pdo


 お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光が2日未明放送のTBSラジオ「爆笑問題カーボーイ」で、東京五輪エンブレムなどパクリ疑惑が噴出したデザイナー・佐野研二郎氏を“擁護”した。
 番組のオープニングで太田は「佐野研二郎の友達のパク・リンタロウです」といきなりパンチを見舞った。
 だが、ここから佐野氏をフォローする。
 「5年くらいすれば忘れるんじゃない? みんな。エンブレムなんかにそれほどこだわってないよ、最初から。イジメられ続けてたら、やってらんないもんね」と佐野氏の気持ちをおもんぱかった。「それこそ企業のロゴとか、いくらでも似てるのはあるんじゃない? どこまでなのかって話だよね」
 ノリノリの太田の話は“周辺”にも及ぶ。
 「『僕が考えたコレです』ってネットにアップするヤツがいっぱい、いるっつうんだけどさ。なんでああいうことすんのかね。イヤなことするなぁ」と語ると、相方の田中裕二が「人が弱ってるところにね。それは逆にすげえ優位な立場でさ」と賛同。




Mr.Copycat こと佐野研二郎氏を何とかして擁護できないものかと面白半分に考えてみる。

上に挙げた太田の擁護の仕方は能天気すぎる。

この人の著書に、

『今すぐ始める 思考のダイエット』

『7日でできる思考のダイエット』

というのがあって、これらの本自体が、

小池龍之介著 『考えない練習』

のパクリではないかと思うのだが、こういう<自己啓発本>のジャンルにおいては、パクリや剽窃一歩手前の書籍やセミナーが乱立しているため、そんなに問題視はされてこなかったように思う。

<商業デザイン>のジャンルにおいても似たり寄ったりの状況が存在したということか。

小池氏の、日常生活においては思考がストレスを産むのだから、なるべく頭を休ませて「考えない」ようにした方がいいというメッセージは分かるような気がするのだが、

佐野氏のように、創造性と想像力が必要なアートというジャンルにおいて、「思考をダイエットする」というのは必ずしも適切ではないように思われる。

むしろ徹底的に考え抜いて、苦しんだ挙句に真の創造性が生まれるのではないか。

図らずも、今回の騒動は、創造性が必要な分野で「思考をダイエット」するとどういう道を辿るかの見本になってしまったように思う。

いかんいかん、擁護しないといかんのに。

ところで、彼が12月に出版する予定の

『伝わらなければデザインじゃない』

という本は、デザインを一般国民に伝えることに失敗した彼のエンブレムを、彼自身が身をもって示した反面教師としてフィーチャーしたものになるのだろうか。

佐野氏自身が9月1日に公開した声明によれば、彼がエンブレムを取り下げた理由は「パクリ(剽窃)を行ったこと」にあるのではなく、「一般国民に伝わらなかったこと」にあるのだから。
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