マイフレンド・マイケル

2012/8/12 | 投稿者: pdo

マイケル・ジャクソンの側近の書いた『マイフレンド・マイケル』(フランク・カシオ著、翻訳・吉岡正晴、監修・西寺郷太、飛鳥新社)を読む。

幼少のときにマイケル・ジャクソンと知り合ったフランク・カシオが、20年以上にわたって公私ともにつきあってきた記録として貴重であり、ジャーナリストには書けない赤裸々なエピソードの宝庫で、たいへん興味深かった。

ものすごく衝撃的な記述はないが、そこそこショッキングな小ネタは随所に散りばめられている。マイケルがファンの女の子と付き合ったりマリファナを吸ったりしていたのは知らなかったが、他のスターに比べればその程度は可愛いものだろう。

それより、もう若くないマイケルが身体の痛みを避け睡眠をとるために重い麻酔薬に依存していった過程がリアルで悲しかった。マイケルの死については医師の刑事責任が問われているようだが、その詳細な経緯もそのうち邦訳書で明らかにされることを望みたい。

もっと悲しいのは、マイケルを利用して大金を得ることだけを目的に貪欲な人間が大量に群がり、周囲の人間が誰も信用できなくなる様子があまりに切実に描かれていることだ。その結果、マイケルと著者自身との間にも亀裂が入ることになる(後に和解)。

著者のフランク・カシオは家族ぐるみでマイケルと交流があっただけでなく、個人マネージャーとしてMJビジネスの暗部にも精通している。2005年の刑事裁判ではマイケルの共謀者として捜査の対象ともなっている。MJの生き証人としてはもっとも適役の一人と言えるだろう。

この本の最大の魅力は、カシオの前でしか見せないマイケルの表情が描写されていることだ。上記のグルーピーやマリファナの件だけでなく、ビジネスのパートナーとの会合の場面など著者にしか書けない場面が随所に出てくる。

あの西寺郷太が「いままで読んだMJ本の中で一番おもしろかった」というだけあって、マイケルに関心のある人は文字通り読み始めたら読み切るまで手放すことができない、そんな本だ。

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