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3一銀の衝撃

2020/6/29 | 投稿者: pdo

昨日行われた棋聖戦第2局では、藤井聡太七段が和服で登場し、全国のそうちゃんファンをメロメロにした。

殺害予告がなされ、警察による警備体制が敷かれる中での対局となったが、藤井七段はまったく意に介することなく、先手番の渡辺明棋聖を90手で降した。

中でも、中盤で藤井七段が熟慮の末指した「3一銀」という、持ち駒を投資した受けの手が、一見してトッププロも首をひねる疑問手(?)と思われた。

対戦した渡辺明はブログの中でこう振り返っている。

△31銀は全く浮かんでいませんでしたが、受け一方の手なので、他の手が上手くいかないから選んだ手なんだろうというのが第一感でした。50分、58分、29分、23分という時間の使い方と△31銀という手の感触からは先手がいいだろう、と。

5分くらい眺めたところでは▲79玉で互角はある、▲25銀で決まってたりしないかな、と思ってましたが、読み進めていくうちに▲79玉△46歩は少し悪いのか、▲25銀は△46桂で負けだ、となって28分考えて▲79玉とした時点では「形勢は悪いけど持ち時間の差でひと勝負」という気持ちでした。

△87歩と垂らされたところで「あれ、全然粘れない」となって、あと数手指したら、もう大差になっていました。

感想戦では△31銀の場面は控室でも先手の代案無しということでしたし、控室でも同じように意表を突かれたと聞いて、そりゃそうだよなと納得したんですが、いつ不利になったのか分からないまま、気が付いたら敗勢、という将棋でした。


合理主義者の渡辺らしい率直な感想だが、「いつ不利になったのか分からないまま、気が付いたら敗勢、という将棋でした」という発言は、あの三浦八段がGPSと対戦した時に漏らした感想と同一であることに注目したい。

ちなみに最強のAIに当該局面を分析させたところ、最初は3一銀は候補手にも上がらなかったが、深く読ませれば読ませるほど、6億手を超えたあたりで最善手であることが判明したという。

三浦VS「GPS」の将棋こそ、AIの棋力が最終的に人間を上回ったことを示す分岐点だったと思っている自分は、このタイミングでAIの能力をある意味で凌駕した恐るべき天才の誕生を目にしたことに慄然とするし、おそらくすべての棋士が改めてこの天才の底知れぬ才能に畏怖の念を覚えたのではないか。

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