ガラパゴス

2020/2/24 | 投稿者: pdo

太永浩『三階書記室の暗号 北朝鮮外交秘録』と荒巻正行『巨人の箱庭 平壌ワンダーランド』という本を読む。

太永浩(テ・ヨンホ)は北朝鮮の外交官で、2016年に亡命した。脱北した外交官の中では最高位級で、文字通り「外交秘録」といった内容。韓国でもベストセラーになった。

外交官というポジションは視野と見識が広く、世界の現実を知っているだけに、北朝鮮政権の非人間性にも自覚的になれるのだろう。この本を読めば非常に常識的でリベラルな価値観の持ち主であると分かるが、北朝鮮内部のエリートはこのような認識を持ちながら奴隷のように独裁者に仕えざるを得ない、あまりにも過酷な人生だ。彼自身も暗殺対象となっているに違いなく、まさに命を懸けた告白である。著者は4月の選挙で小選挙区から韓国の国会議員に立候補するという。こういう人が統一の暁には指導者になるのがふさわしいのではないか。

『巨人の箱庭』は、平壌の建築デザインの変遷を論じながら北朝鮮の歴史とその社会を分析するという内容で、とても興味深く読んだ。北朝鮮についての本は妙なバイアスがかかったものが多く、真面目な本は人権問題に焦点を当てたものが多いため、正直読むのがキツいのだが、この本のユニークな視点は斬新だった。最後の章には、ファンキー末吉が教えたロック少女(?)たちの写真もあって楽しい。

日本と韓国と北朝鮮は、まったく違うようでいて、実はパラレルワールド的な近親性を持っているような気がする。いつの日かこの三国の人民が自由に屈託なく交流できる日が来ることを願うばかりだ。
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