妄想ラジオNo.8

2019/12/11 | 投稿者: pdo

今日の1曲目:Only With You / Taturo Yamashita



こんばんは。本日は「山下達郎のサンデー・ソングブック」風にオープニングをお届けいたします。

さて、前回の放送をお聞きになった方から、曲の内容が暗すぎて辛かった、とのお便りをいただきました(笑)。これはたぶんShingo2さんの「No.13」という曲の歌詞のことだと推察しますが(笑)、前回の放送でも申し上げました通り、この曲には同じ歌詞でバージョン違いのものがございます。こちらは「No.13」が収録されているアルバム『緑黄色人種』が2002年に再発されたときに新たに収録されたバージョンになります。こちらのバージョンは同じ歌詞でも癒されると思いますので、前回の放送で落ち込んだ方もこちらで癒されてくださいませ。

今日の2曲目:No.13(Reprise) / Shing02



本日のK-POPコーナーでご紹介するのは、JYPことパク・ジニョン先生による新曲でございます。先生と申しますのは、彼は自らミュージシャンとして活動するとともに、JYPエンターテイメントという芸能事務所を立ち上げた経営者でもあるのです。事務所の社長のことは「先生」と呼ばれて、歌番組で一位になったりするとグループのメンバーはまずカメラに向かって事務所の社長に感謝の言葉を述べる光景がよくみられます。

JYPEは過去にWONDER GIRLSやMISS.Aなど偉大なK-POPグループを多数輩出していますが、今の稼ぎ頭は何と言ってもTWICEですね。このパク・ジニョン先生の新曲もTWICE人気に乗っかって(笑)、PVの冒頭でTWICEの曲のイントロを弾いたりしてます。曲もビデオもよくできていて面白いのでご紹介します。

今日の3曲目:FEVER / J.Y. Park(Feat.BIBI)



今日の4曲目:Please Don't Stay (Once You Go Away) / Marvin Gaye



続いてお聴き頂きましたのは、マーヴィン・ゲイ不滅の名盤『レッツ・ゲット・イット・オン』より、不滅の名曲「Please(Don't)Stay」でございました(山下達郎風に)

本日最後の曲は、例によってザ・ビートルズでございます。

ビートルズのアルバムの最高傑作は何か? とは人類の抱える最大の難問の一つですが、一般的には『サージェント・ペパー』という意見が多いような気がします。

私もそれに特段異存があるわけではございません。でもちょっと持ち上げられすぎかな、という気もいたします。「抱きしめたい」や「ハードデイズ・ナイト」や「ヘルプ!」や「ドライブ・マイ・カー」や「レット・イット・ビー」のようなインパクトのある名曲が入っているわけでもなく、今聴くと変にゴチャゴチャした曲が多い気もします。

何より、これはポールのアルバムで、ジョンはあんまりやる気が感じられないんですよね。

サーカスのチラシを見ながら書いた「ミスター・カイト」とか、テレビCMを見ながら書いた「グッド・モーニング・グッド・モーニング」なんていかにも適当に作った感じしかないですし、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」も、そこらへんに置いてあった新聞を見ながら適当に書いた歌詞という臭いがプンプンします。

でも、この A Day In The Life をビートルズ最大の名曲に挙げる人もいるくらいです。

確かにこれはすげえ曲ですよ。でも、その凄さって一般的にはあまり知られていないと思うんです。

一回聴いてみましょうか。

今日の5曲目:A Day In The Life / The Beatles



音楽的にどう凄いのかということは、時空を超えてさんざん語りつくされていると思うので、あえてそこは語りません。というか、語るだけの知識もないので。

この曲がそれまでのポップミュージックと決定的に違うところは(まあビートルズの出現そのものがそれまでの大衆音楽との決別であり次元上昇だったわけですが)、日常の風景、文字通り a day in the life (生活の中の一日)の中にとんでもない非日常が潜んでいる、というか表裏一体のものとして摩訶不思議な神秘がそこにある、ということをわずか3分そこそこで表現してしまっている、ということではないでしょうか。

この『サージェント・ペパー』というアルバム自体が、架空のバンドによる架空のステージというメタ構造になっていて、日常とは遊離した世界で行われている出来事を表現しているわけですが(実際「Lucy in the sky with Diamonds(LSD)」とか「Within You Without You」とか明らかにトリップしたような曲も入っています)、そのアルバムの最後の曲の冒頭に、「今日新聞を読んだら」とか「今日映画を見に行ったんだけど」とか、日常世界のことが語られることで、聴いている人の意識は非日常的世界から日常的世界に戻されることになります。

ああ、今までのトリップは終わったんだ、終わりなき日常に戻らなきゃ、ということになるわけです。

ひとしきり新聞を読んだらとか映画を見に行ったらとかいう話をした後で、やにわに、というか、藪から棒に、ジョンは、「I'd love to turn you on」と呟きます。「Turn on」は明かりをつけたりスイッチをつけたりすることで、「turn you on」だと、君にスイッチを入れる、つまりムラムラさせるという意味にもなります。ここでは、意訳すれば、「あんたに、違うものを見せてやりたい」とでもいう意味でしょうか。

で、あのオーケストレーションが来るわけです。どうってことのない日常の裏に、実はこんなもの隠されているんだよ、普段君は気づいていないかもしれないけれど。フォルテッシモへと高揚するオーケストラは、無限に拡大する意識の暗示です。

意識の拡大がピークを迎えたところで、再び日常の風景が来ます。「朝起きて、ベッドから出て、髪をとかして、お茶を飲んで、バスに乗って、オフィスに着いて、みんなが喋っていて、僕はうとうとする・・・」ポールが歌うこの部分は、ただ日常を描くのみで終わります。

するとジョンが、また新聞を読んで、ニュースを見て、という話を始めます。「ランカシャーのブラックバーンに4000もの穴が開いていたんだと。その穴は比較的小さかったのに、全部の穴の数を数えたらしい。その穴がいくつあればアルバートホールを埋め尽くすのに必要かまで分かったらしい・・・」どうでもいい、くだらない話です。でもニュースなんてどれもそんなものです。

またジョンは僕たちを誘惑します。「君を目覚めさせたい、こんなくだらない日常に思えるものが、意識を拡大すればどんな風に見えるものかを・・・」

そして行くところまで行ってしまって、ポップミュージックの終わり方としては極めて異例なエンディングを迎えます。

もし僕が1967年に、何の予備知識もなしに、ビートルズの新譜としてこのアルバムを聞いたとしたら、たぶん呆然となったと思います。何なんだこれは? と興奮で寝られなかったでしょうね。

ビートルズの偉大さ、『サージェント・ペパー』の偉大さ、中でもこの曲の凄さは、「彼方にあるもの」を日常の只中にあるものとして垣間見せたこと、そのようなものとして提示したことです。

それができたのは、あの当時のビートルズという存在の影響力の巨大さ、全世界の注目があったからこそで、そしてあのタイミングであの曲が出たこと、それが『サージェント・ペパー』というアルバムが歴史的事件になりえた理由です。

ビートルズは、人々の意識を変えるという、どんな哲学者も政治家も芸術家も革命家も滅多に成功しなかったことを、本当にやってしまいました。

その奇跡が凝縮されたのが、この「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」という曲でした。

もう一度聴きながら、お別れいたしましょう。ごきげんよう、またいつか。

今日の5曲目:A Day In The Life / The Beatles




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