運命の逆転

2019/11/20 | 投稿者: pdo

昨日の王将戦挑戦者決定リーグ、4勝1敗どうしで事実上の挑戦者決定戦となった広瀬竜王と藤井七段の対局は、126手で広瀬竜王の勝ちとなった。

対局直後のインタビューで、藤井七段は、「最後は詰みをうっかりしたが、これも実力」と悔しさを滲ませながらも落ち着いて語っていた。

中盤に藤井七段に疑問手が出て、広瀬竜王が優勢で最終盤を迎えたが、藤井七段が土壇場で猛烈な追い込みを見せた。一時は逆転したかに見えたが、最後に広瀬竜王が即詰みに仕留めた。

最後、逃げ間違えなければ詰みはなかったようだが、1分将棋ではさすがの藤井もすべてを読み切ることは難しかったようだ。終盤で持ち時間に大差がついていたことが、この結末に影響した。

ひふみんこと加藤一二三は、藤井が大きなチャンスを逃したことで、これから調子を落とすのではないか、といったコメントをしている。

加藤一二三は、20歳で大山名人に挑戦して、叩きのめされた。そのことが、彼の中の何かを壊したのではないか、と思っている。

彼の才能からすれば、もっとタイトルを取って、棋界を制する大棋士になってもおかしくなかった(もちろん大棋士には違いないが、大山、中原、羽生クラスの頂点を極めるには至らなかった)。

同じことは二上達也(羽生善治の師匠)にも言える。

加藤も二上も、大山康晴という存在によって、何かを失った。

中原誠は、大山と年齢が離れすぎていたこともあり、加藤や二上のように、むき出しの暴力的闘争心に晒されることがなかった。あるいは、大山の闘争心を失わせる何かを中原は持っていた。

羽生にとっては、大山のような存在はおらず、中原とタイトル戦を戦うこともなかった。

谷川は、年上ではあったが、文字通りライバル的存在であった。

もし、藤井聡太が、今の時点で、渡辺明との王将戦七番勝負に臨んだとしたら、加藤が大山に叩き潰されて、何かを失ったように、何かを失うことになっただろうか。

いつかはタイトル戦で相まみえる運命であるとしても、それは今ではなかった、ということだろう。

将棋の神様は確かに存在している。


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