まさに周囲を照らす、太陽みたいな子

2017/1/8 | 投稿者: pdo

役者は繰り返して戯曲(台本)を読み、戯曲の中へ入ってゆかねばなりません、そして、本来自分のものでない行動や、生命や、運命や、世界を、完全に自分のものにして、戯曲から出てゆかねばなりません。それらのすべてを、自分の内部へ吸収して、自分の肉体と心情との内に染み通らせて、戯曲の向こう側へ、現実の対岸へ、演劇的現実の方へ出てゆかねばなりません。そして、あたかも元の書かれた戯曲が存在しなかったかのように、自由に感じ、行動し、生きて見せなければならないのです。

いわば役者は、そこに書かれてある言葉を、もっとも生き生きと、正しく語り得る身体と心の状態をつくりあげるために戯曲を読むのです。(芥川比呂志「戯曲を読む」より)



学校帰りのアキとユイがホームのベンチに座って、お互いの家族のことを話している。そこでアキは「なんでそんなに東京にこだわるの?」とユイに聞く。とんでもない答えが返ってくるとも知らず。

「ここは、大事なシーンですね。…難しいシーンでしたが、ここで能年さんは天才だなって思いました。最初にユイが『東京に行って、アイドルになるの』と言ったあと、『何言ってんだ、この子は。…ばかなのか。…とりあえずアキは、聞こえないフリを装いました』というナレーションが入ります。そのとき思わずユイから顔を逸らしてしまう能年さんの顔は秀逸です。憧れていた顔から急激な疑問顔。このマンガチックな表現がはまるのがコメティエンヌの才能です。あからさまなだけに“寒く”なりがちなのに、彼女は何の演出もしていないのにやってのけました。ヒロインが彼女でよかったって感じた瞬間でした」(演出家・吉田照幸 『NHKあまちゃんメモリアルブック』より。以下同じ)


純喫茶アイドルで、アキがアルバイトをしていると、そこに営業まわりをしていた水口が入ってくる。その表情から、仕事が取れなかったのは一目瞭然だ。

「すごく細かいアキの一瞬の表情に、僕は注目してほしいと思います。水口が入ってきて、入口近くにいるアキの前を通ってカウンター席に座って、缶コーヒーを開ける。注目シーンは、水口がアキの前を通り過ぎた瞬間のアキの表情としぐさです。落ち込んだ表情をしている水口に声をかけることも出来ず、自分の髪の毛をちょっとだけ直します。その一瞬で、仕事が取れなかったんだというガッカリした感情と、仕事が取れないのは自分が評価されていないからで申し訳ないという感情を同時に表現しています。とても地味なシーンですが、またしても能年さんの才能に驚かされました」(演出家・吉田照幸)


NHK訓覇圭チーフプロデューサー制作のことば

「そして、もうひとつ特別なこと。それが能年玲奈さんという女優さんとの出会いです。

このドラマの大事なコンセプトの一つが、『成長しないヒロイン』です。ヒロインは変わらなくても周囲が変わっていく、というテーマは能年さんの肉体があって初めて具体になりました。能年さん自身は、撮影を経てとても成長しているんだけど、彼女のよさはいつまでも変わらない、という感じです。

能年さんは、私たちスタッフから共演する俳優さんたちまで全員に、『ずっと見ていたい』と思わせる魅力を持った人です。まさに周囲を照らす、太陽みたいな子――本当にアキそのものなんです。」



『この世界の片隅に』ヤフー映画ユーザーレビューより

私は有名俳優が声優を演じるのが大嫌いです。顔が思い浮かんで感情移入しにくくなるし、声だけだと化けの皮がはがれて実は下手だというのがはっきり分かってしまうケースが多くいらいらして集中できません。

その点、のんは凄かったです。この人の透明感のある声は実に自然でアニメの世界に溶け込んでいました。

あまちゃんでは圧倒的な可愛らしさで大ブレイクしましたが、声だけでもこれだけの演技力があるんだという事に感動すら覚えました。この女優を干している芸能界は愚かさを恥じるべきです。
9



コメントを書く

名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL





AutoPage最新お知らせ