吾輩は猫である〜赤シャツ〜都城市民劇場  都城市民劇場

巨人、引力

「ケートは窓から外をながめる。小児が球を投げて遊んでいる。彼らは高く球を空中になげうつ。球は上へ上へとのぼる。しばらくすると落ちてくる。彼らはまた球を高くなげうつ。
 再び。
 三度。
 なげうつたびに球は落ちてくる。なぜ落ちるのか、なぜ上へ上へとのみのぼらぬかとケートが聞く。
「巨人が地中に住む故に」と母が答える。
「彼は巨人引力である。彼は強い。彼は万物を己の方へと引く。彼は家屋を地上に引く。引かねば飛んでしまう。小児も飛んでしまう。葉が落ちるのを見たろう。あれは巨人引力が呼ぶのである。本を落す事があろう。巨人引力が来いというからである。球が空にあがる。巨人引力は呼ぶ。呼ぶと落ちてくる」

 昨夜、都城市民劇場の例会があった。青年座の「赤シャツ」
夏目漱石の「坊ちゃん」にでてくる八方美人の教頭の「赤シャツ」を主人公にした演劇である。

マキノノゾミ氏の脚本である。ポスターにはこう書かれている。

”よしよし赤シャツ君よ、僕の芝居であんたをグッと男にしてやろうじゃないか”

 マキノノゾミ氏の目論見は見事に成功していた。八方美人で、世間体と体面ばかり気にして生きている嫌味なあの”赤シャツ”が最後にちょっとだけ男に見えた。芸者の小鈴の存在も大きい。赤シャツは結局自分が嫌いで仕方が無いのだと思う。体面をとりつくろいながら心が休まることがない。おおよそ、そこには感情というものが表出されない。だから、親しみが湧かない。友達ができない。そしていつも誤解される。
 彼を心底理解しているのは、お手伝いの”うし”だけである。うしの前では、本性をさらけ出せる。そこが彼の救いだったと思う。

 すべての人に内包する”赤シャツ”的なもの。なんだか親しみが持てる人物に見えてくる。

 そういえば、僕自身もとっても赤シャツ的だなと思った。世間体や体面ばかり気にしている。

 でも、最後は芸者の小鈴に救われる。女性は強いものだ。これで”赤シャツ”君はとっても男前になった。


 都城市民劇場は、この不景気を受けて、会員数を大幅に減らしている。地方にいながら、このような質の高い演劇を見ることができるのは市民劇場があるからだ。会員みんなで支えあうシステムにより運営されている。現在会員数は850名程度。採算ラインは900名位と思われる。今までプールした会費で運営しているらしい、このままでは恐らく、早かれ遅かれ破綻するものと思う。

 それはとても残念だ。一回劇場が解散すると復活は多分無理である。もう二度と出来ない。地方にいながらこのような質の高い演劇を見られなくなるのは、ここ都城にとってとても大きな文化的損失だと思う。このことは個人的には、経済的損失より大きな出来事になると思う。ここ都城の発展・繁栄は、文化的レベルの向上にあると思う。


 僕は絶対的に確信している。

僕は今まで、都城市民劇場をあまり積極的に宣伝して来なかったが、先日の例会「赤シャツ」を見て思った。

これが見られなくなるのは、とても残念なことだと。2ヶ月に1回の例会であるが、僕はいつも楽しみにしている。そこには、生きることの喜びや苦しみ、悲しみがあり、それを共有できる空間がある。生の舞台により、演者と観客のなんともいえない空気が会場に満ちていく。舞台は、観客も含めてきっと演者であり、みんながキャストなのだと思う。そして心が栄養で満たされる。

 都城市民劇場に入会しませんか?http://www12.plala.or.jp/beisun/

会費は2000円/月です。高校生以下は1000円。劇は2月に一回のペースであります。時間も日程も決まっています。時間が無いとか思っている方。時間は作らないとどんんどん無くなります。時間が無いから時間を作らないと、いつまでたっても休めませんよ。

演劇を見るととても元気になります。2月に一回くらいの時間は取れるでしょう。しかも前もって日程は決まっている。

ぜひ、入会して、心の栄養補給をしましょう。きっと良かったと思うと思います(変な文章ですね)

入会は、都城市民劇場へ
都城市民劇場事務局
受付時間:月〜金 10時〜18時
メールアドレス:kiri-bsn@sea.plala.or.jp

〒885-0072 宮崎県都城市上町14ー12
пi0986)21-8082
fax(0986)21-8088

市民劇場の魅力についてなら僕にもお尋ねください。きっと入会したくなります。

次回は俳優座で「リビエールの夏の祭り」です。それでは一緒に楽しみましょう。


 
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