疳の虫  

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先日、ドラッグストアで買い物していたとき、よこのレジに並んでいた女性(60代)が、薬剤師(50代)に質問していた。樋屋奇応丸を持って疳の虫って何ですか?と薬剤師さんに相談していた。

薬剤師さん「・・・・・」
薬剤師さん「ギョウチュウを駆除する薬なら病院で貰って下さい」

女性「疳の虫って何ですかね・・・?」
薬剤師「何でしょうね・・・」


横に並んでいて愕然とした。若者であるまいし、2人ともいい歳して疳の虫がわからないの?しかも、薬剤師。

疳虫、乳吐き、弱った♪なって、コマーシャルでよく見た。

樋屋奇応丸はいわゆる生薬である。

疳虫は、子供のヒステリー、きいきいと興奮して落ち着かない状態。小児の神経症みたいなもの。夜泣きとかしている状態。

レジの横にいたので、よっぽど教えてあげようかと思ったけど、薬剤師さんの面子もあるし、黙っていた。それにしても、疳虫なんて最近使わないのでわからないのかな?

僕は、仕事で疳虫の治療をする。小児鍼だ。小児鍼は刺さない鍼。へらや棒みたいな形をした鍼で、その症状に合った体表のツボを撫でさする。とても効果がある。関西で盛んで、疳虫の虫をとって”むし鍼”ともいう。大人でも効果がある。僕は、大人でも良く使う。先の、リウマチの症例などの治療に使ったのはこの小児鍼である。

言葉が消えることの影響を、立川昭二氏は「からだことば」の中で、こう述べている。

からだから「骨」が消えていく

「骨が折れる」という言葉がきえていきつつある。そうなると、からだを尽くして骨が折れるような思いをしたり、人のために骨を折るような
努力をしたりすることがなくなってしまうのではないか。
 からだに苦労や重荷を引き受けることを排除したり避けたりするようになるのではないか。つまり、「骨を折る」「骨が折れる」ことをしなくなるかもしれない・・・。

体操という字は旧字では「體操」と書いた。体とは骨が豊かと書いたんです。ですから、體操とは豊かな骨を操ること。昔の人のからだは骨が豊かだったんです。

 ところが、今は骨が豊かではなく、「骨粗鬆症」になってしまった。
「體」という字が使われなくなると同時に、からだの中でいちばん大切な「骨」が豊かでなくなっていこうとしている

と。

言葉が使われなくなるということは、その行為そのものが無くなったり、感覚を喪失したりするということである。失ったものは大きい。

これは、僕の愛用の「小児鍼」である。とても美しい。


 からだ言葉は鍼灸(東洋医学)そのものですね。
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