歩く人  

今日は久しぶりの曇り空で、周りはとても静かなだ。田舎では、なんとか商店などの店がなくなり、大型ショッピングモールやコンビニなど駐車場の大きい店ばかりになった。
 昔は、乳母車をおして買い物に行く人を良くみかけたものだ。高校生の時亡くなったうちのばあちゃんも、良く乳母車をおして買い物に出かけていた。僕の小さい頃の写真を見ると、素っ裸で乳母車に乗っている写真がある。あの乳母車はどこにいったのだろう・・・。

 静かだ。本当に静かだ。誰一人歩いていない。車も走っていない。物音ひとつしない。こうやって、ベンチに腰掛けているとまるで世界中から人が消え。この世に僕がたった一人しか存在していなような錯覚に陥る。この世界のどこかで紛争や飢えや、戦争が行われ、ミサイルが飛び、銃が乱射され、地雷が爆発し、血が飛び散り、欲望の権力者が世の中を混乱させているとはとうてい思えない。僕らは誰かにそう思いこまされているのではないだろうか?などと現実から離れた事を考えていた。確かに、僕の目の前の静けさから、世界の混乱は想像できない。この空も、空間も、地面もつながっているというのに・・・。

 僕は、いろんな事を考えるのに疲れ、じっとベンチで考え込んでしまった。

”もうそろそろ気づいてもいいころじゃないのか”

そう、誰かが耳元でささやいた気がした。

いつになったら僕らは混乱を解決する精神に気づくのだろうか?

 僕は、世界で一番安全なベンチに座っている。クリックすると元のサイズで表示します
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壊れた人  

今年も、緑陰講座がある。緑陰講座とは、私の子供が通っていたお寺の幼稚園、そのお寺の住職の叔父が著名な文学評論家である。その叔父さんの交友関係でずいぶん前から毎年行っているものである。

その緑陰講座のスタッフにありがたいことに僕も加えてもらっている。去年は直木賞作家 出久根達郎氏が来られた。楽しいのはその後の、作家の人を交えた打ち上げの飲み会なのだ。

 先日、今年の緑陰講座の打ち合わせがあった。今年もある作家が訪れる。具体的には、確実に決定してからお知らせします。尚、講演終了後、何故か幼稚園の会長が、謝辞を述べるのが恒例となっている。昨年は僕がさせて頂いた。今年の会長さんも大変だなと思った。

 さて、打ち合わせが終了してから、他のスタッフの方と酒を飲んだ。2人だけタバコを吸っていた。タバコを吸う場所が少なくなって肩身が狭いですねという話から、健康で長生きという話になった。タバコを吸う2人は、”あのな、酒もタバコも吸わない。まじめに生きていってもつまらないだろ。人間は多少壊れている人が面白いんだ”と彼らは言った。”ほら、あの人も壊れているだろう”そういえば、僕の大好きな地元作家も確かに壊れている。とても魅力的な人だ。
尚、酒もタバコも吸わずまじめに生きている人が魅力が無いと言っているわけではない。彼らもまた魅力的だ。
僕は壊れているだろうか?
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