空へ
そもそも私が、英語だいっ嫌いなわたしが、なぜ当時まだ流行ってもいないアメリカ留学をすることになったか? 中学一年のときクリスチャンになったわたしは、(家族は典型的な仏教)、高校生のとき将来宣教師になりたいと願うようになりました。それで卒業したら神学校(日本の)に行く予定だったのが、諸事情で延び、就職してお金を貯めながら機会を待つことになり、土木設計事務所で設計助手として働きました。
そしてあっという間に24歳!当時通っていた教会の宣教師から、「今から日本の神学校に行ってたら、海外にいくころには、もっと年をとって外国語の習得が難しくなるから、いっそアメリカの神学校に行きながら、英語も覚えましょう。私の母校に紹介状を書いてあげます」「えぇ〜?!」ということで一気に話はアメリカ留学へ。安月給の中からかろうじて貯めた、飛行機の片道切符代と一年分の授業料を握りしめ(わぁ、歌の歌詞みたい。ちなみに現在は法律が変わって、往復の切符代と卒業までかかる全費用の残高証明がないと、留学許可が出ません。あしからず)「なんとかなるさぁ〜

」と空の人となったのでした。
初めての飛行機。もう完全に旅行者やってました。持って帰れる物は全て持って帰り、(機内食のチーズの包み紙から、気分悪くなった時の袋から、何もかも)写真は撮りまくり・・全部スクラップブックに貼ってます。あぁ〜なつかしい。アメリカに着いてからの一ヶ月間も、何もかもめずらしいし、日本語話せる宣教師一家と一緒だったから、安心だったし、それまではあんまりあこがれてなかったアメリカに、すっかり恋してしまいましたね〜

そして、あっという間に九月の新学期を迎えることに。寮に荷物を運び込み、去っていく宣教師家族に手を振って、振り返ったとたん、私は目が覚めたのでした。まるで、吹き替えなし、字幕スーパーなしの外国映画を見ているみたい!
「全然わからん!助けてくれぇ〜!!!」
しかし、ひきつっている心とは裏腹に、顔はジャパニーズ・スマイルをにっこりとうかべて、途方にくれた私でした。いよいよ戦闘開始です。

1