そうこうしているうちに、アメリカに留学して早2年。英語は・・・
相変わらずうまくならない(
驚!)
というのも、意外と真面目だった私は、わき目もふらず勉強、勉強の毎日。学校、図書館、練習室、寮の学習室の往復で、友達と話すヒマもない。人と話すのは、授業や宿題について質問する時だけ、という寂しい状況。
当然、英会話は上手にならない。聞き取れないから、読み書きに頼るしかない悪循環。
う〜ん、これじゃイケナイなあ〜
、と思っている時に、
事件は起きた。
聖歌隊の授業が終わって、友達が「サラ(私のアメリカでのニックネーム)も
try out受けるでしょ?一緒にサインアップに行こうよ。」
とらいあうと?頭の中で翻訳。
try=試す、
out=外へ・・・何じゃそれは? と思いつつ、聖歌隊のディレクターのオフィスに行く。
この先生は前学期に赴任してこられたばかりだが、ミシガン州立大学の指揮科出のすごい先生。指示が明確で歌い易く、私はとても気に入っている。
ドアには見慣れたサインアップシートが貼ってある。実技の試験のあるクラスの場合、その紙に自分の受けたい時間にサインをしておくのだ。
「あれっ?聖歌隊ってテストあったっけ?まあいいや。とりあえず、サインしておこう。」と、知ったかぶりして内容も確かめずサイン。
決められた時間に行くと、発声練習らしきものをして、好きな賛美歌を1曲歌う。「ん?ちょっとキーが低いな・・」
伴奏者に頼んで、高くしてもらい、もう一度歌う。
ディレクターがニッコリ笑って
うん、キミは僕のファーストソプラノね←意味不明
数日後、音楽学部の掲示板前に人だかりが。何だろうと思って近づくと、皆は私を見て口々に、
おめでとう
!
おめでとう
!
ん?何がメデタイんだ?
天才の呼び名が高い木管奏者のマイクが、「サラ、一緒にツアーに行けるね」と話しかけて来た。陰でこっそり聞く。
ツアーって何のこと?
「えー、知らないの?大学が今度新しく募集した、プロモーションのためのゴスペルアンサンブルの一員に選ばれたんだよ。奨学金が出るから、授業料も寮費も
全額免除になるし、夏と冬のツアーには、
ボーナス
も出るんだよ!来月から早速、近隣の州を回り始めるから、忙しくなるよ。」
はあ〜!トライアウトって
オーディションのことだったのね?!
大変なことになってしまった・・・
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